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【社会】

被災3県4分の1 震災の対応未検証 自治体 復興優先で人手回らず

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 東日本大震災の津波や東京電力福島第一原発事故の被害が大きかった岩手、宮城、福島三県の四十二市町村のうち、四分の一に当たる十一市町村で、当時の対応が適切だったかどうか検証できていないことが一日、共同通信のまとめで分かった。復興事業に職員を割かねばならず、検証まで手が回らないのが背景。原発事故の影響が続く福島では発生から七年を迎えても手付かずが多く、資料の散逸により震災の教訓が後世に伝わらない懸念も出ている。

 検証は行政の対応や市民の避難行動を調べるのが目的で、職員間の検討会や第三者委員会など、方法はさまざまだ。防災計画の見直しに合わせて課題を洗い出すケースが多く、約七割の市町村は、内容をホームページなどで公開している。

 共同通信のまとめによると、今年一月一日時点で何らかの検証が終わったと回答したのは仙台市など二十六市町村で、検証中は岩手県釜石市など五市町。残り十一市町村のうち、福島県川俣町は三月にも開始すると答えたが、残り十市町村は「今のところ予定はない」だった。

 未実施は小規模な市町村に目立つ。複数回答で理由を尋ねたところ「復興事業による人手不足」を挙げたのが九市町村と最も多く、「専門知識を持った職員の不足」が七市町村、「検証のノウハウがない」が六市町村と続いた。

 二〇一六年の台風で、震災を上回る被害が出た岩手県岩泉町は「復旧・復興に努めねばならず、余裕がない」。現場の混乱で、災害対策本部の議事録などが残っていない宮城県東松島市は「検証を一から始めると作業が膨大となる」と答えた。

 福島県では検証が終わったのは四割にとどまる。二月時点で八割以上の住民が避難先から戻れていない葛尾村は「本来なら終わっていなければいけないが、とても検証できる状況にない」と訴えた。

 

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