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【社会】

MRI訴訟 日米で和解へ 詐欺事件 投資家8700人に50億円分配

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 米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」の社長らが詐欺罪に問われた事件に絡み、投資した顧客らが同社側に出資金返還を求めた日米での二つの訴訟が、一括して和解する見通しとなったことが一日、被害者弁護団への取材で分かった。和解金に充てる資産の総額は十八億円超となる見込みで、米証券取引委員会(SEC)側が回収予定の民事制裁金など約三十二億円と合わせた約五十億円が、日本人顧客約八千七百人に分配される。

 MRIは、診療報酬を保険会社に請求できる権利を債権化した金融商品を日本で販売。顧客約八千七百人から集めたとされる計約千三百億円に上る巨額の資産消失疑惑が二〇一三年に発覚し、約五年を経て一部の被害回復が現実化することになる。

 二訴訟はMRI本社のある米ネバダ州の連邦地裁と東京高裁に係属中。

 被害者弁護団によると、和解に伴い、同社側の不動産売却や債権の現金化が進んでも、被害回復は3%程度にとどまる。だが米での訴訟で判決を得るには多額の費用がかかることなどから、MRI側と協議を進めている。

 米での訴訟で、提訴していない被害者にまで出資金返還の効力が及ぶクラスアクション(団体訴訟)が認定されており、和解金は一部を除き、弁護団への依頼者約五千人を含む約八千七百人の顧客全員に分配される。

 MRI側が和解金に充てる約十八億円の内訳は(1)日本事務所の統括責任者鈴木順造被告(69)=米司法当局が詐欺罪で起訴=らの日米の銀行に残された預金(2)米にある関連会社の債権(3)福岡県内の不動産−など。

 一方、SECの提訴を受け、連邦地裁が詐欺行為を認定し、支払い命令を出した民事制裁金などには、社長エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ被告(71)=同=とMRIの資産が充てられる。

 日本事務所側は取材に「係争中につきコメントできない」としている。

 <MRIインターナショナル> 米ネバダ州に本社を置く資産運用会社。日本で営業活動していたが、2013年に巨額の資産流失疑惑が発覚、出資金を配当金に充てていたなどとして、金融庁は同年4月、金融商品取引業の登録を抹消した。米証券取引委員会が起こした裁判で、同州連邦地裁は14年10月、詐欺行為を認定し、民事制裁金や違法収益の支払いを同社側に命じた。米司法当局が社長ら3人を詐欺罪で起訴しており、今年10月に社長の裁判が始まる見通し。

 

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