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【社会】

新出生前診断、一般診療に 臨床研究終了、施設拡大へ

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 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新出生前診断について、日本産科婦人科学会は三日、全国約九十の認定医療機関で実施している臨床研究を終了し、一般診療とすることを決めた。当面、今の認定施設でのみ継続して実施するが、病院側の申請がしやすくなり、徐々に認定施設が増える可能性があるとしている。保険は適用されず、受診者の負担は約二十万円と臨床研究の時と変わらない。

 新出生前診断は中絶につながりかねないため、学会は指針で遺伝カウンセリングを行うなどの要件を定め、認定施設のみで実施を認めている。だが一部の民間クリニックでルールを守らずに実施している実態があるほか、地域間の差もあることから、指針の下で施設拡大を求める声があった。一方、ダウン症の親の団体からは「社会全体で議論するべきことだ」などと反発する意見も出ている。

 指針では、診断が認められる対象はダウン症、13および18トリソミーの三つ。受診できるのは三十五歳以上や、過去に染色体異常のある赤ちゃんを出産した妊婦などに限定している。

 学会は一般診療に移行後もこの指針を使い、要件の緩和は行わない。ただ臨床研究の詳細な計画書の提出や倫理委員会での審査は必要なくなる。このため大病院でなくても学会に申請を出しやすくなり、認定を受ければ実施が可能になる。

 新出生前診断は、臨床研究として二〇一三年に開始。妊婦のおなかに針を刺す羊水検査と違い、母体への負担が少ない採血で検査が可能なことから、希望する妊婦が増加。実施医療機関は当初十五だったが昨年十二月には八十九に増えた。

 研究チームによると、昨年九月までに受診した妊婦の総数は約五万一千人。陽性判定が出た九百三十三人のうち、七百八十一人が羊水検査を受け、異常が確定した人の約九割が人工妊娠中絶を選んだ。一方、正常と判明した妊婦は八十一人いた。

<新出生前診断> 妊婦の血液を採取し、そこに含まれる胎児のDNAを分析することで、ダウン症などの染色体異常を調べる検査。日本産科婦人科学会の指針に基づきカウンセリング体制などが整っていると認定された医療機関で、2013年から臨床研究として実施されている。費用は自己負担で約20万円。母体血清マーカー検査など従来の出生前診断より早い妊娠10週から検査が可能で精度も高いが、確定診断には羊水検査が必要。

 

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