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【社会】

川端の短編 90年ぶり復活 「新潮」4月号に掲載

川端作品を掲載した「都新聞」

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 作家の川端康成(1899〜1972年)が大正時代、本紙の前身「都新聞」に発表し、その後単行本や全集に収録されなかった短編小説と随筆が、専門家の調査で確認された。7日発売の文芸誌「新潮」4月号に掲載される。

 短編は「名月の病」の題名で、原稿用紙三枚ほど。「伊豆の踊子」を発表した一九二六(大正十五)年の十月三日付の一面に掲載された。妻と温泉宿を訪れた男が、湯に映った満月を食べて命を落とす少女を語る幻想的な作品。長期滞在していた伊豆・湯ケ島(静岡県)が舞台とみられる。

 川端康成学会常任理事で、和洋九段女子中高(東京都)の深澤晴美教諭が今年一月、国会図書館で確認した。「川端は湯ケ島の月が印象深かったと語っている。その後の作品で繰り返し描かれる月が登場しており興味深い」と解説する。

 深澤教諭は、二四(大正十三)年一月三十、三十一日付に掲載された随筆「妻競(つまくらべ)」も確認。おとぎ話「鉢かづき」の少女と新進作家としての自分を重ねて書いている。

 深澤教諭は「両作とも初期の川端を知る上で重要な作品では」とする。

 「新潮」四月号にはこの他、作家の坂口安吾(一九〇六〜五五年)が四六年十一月、朝日新聞大阪版に発表した後、単行本や全集に収録されなかった短編小説「復員」も掲載される。

 

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