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【社会】

犯罪捜査 データ解析10年で9倍 警察庁 スマホ・パソコン情報

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 警察庁の情報技術解析部門が二〇一六年の一年間に、犯罪捜査のために都道府県警から解析を依頼されたスマートフォンやパソコンなどのデジタルデータの総容量は、約四・六ペタバイトに上ったことが七日、同庁への取材で分かった。解析技術は「デジタル・フォレンジック」(DF)と呼ばれ、約〇・五ペタバイトだった〇六年と比べ、十年で九倍超に拡大した。

 四・六ペタバイトは八ギガバイトのSDメモリーカードに換算すると約六十万枚に相当。デジタルデータの解析が捜査の重要な支えになっていることがうかがえる。

 警察庁が一六年に、本庁や各管区警察局などで受けた解析の要請件数は一万四千六百四十九件。一万五千三件だった〇六年と比べて件数自体は同程度だが、スマホなど端末機器の記憶容量の大型化が影響しているとみられる。要請一件は「携帯電話十台」など複数台が含まれることもある。

 解析した機器の内訳では携帯電話が一万六百二十六台で最も多く、このうち約八割がスマホ。通話やメールなどの記録だけでなく、ダウンロードしたアプリも捜査に役立つ情報がないか調べる。他はメモリーカードや、パソコンやサーバーに内蔵されているハードディスクドライブが多かった。

 DFはスマホなどのほかに、車に搭載されたドライブレコーダーや街頭の防犯カメラなどが記録したデータにも活用。従来の指紋やDNA型といった手法に並び、重要な捜査手段となっている。

 警察庁は、開発が進む自動運転車でもDFの利用を検討している。不正アクセスなどでハッキング(乗っ取り)され、交通事故を起こしたり、事件に悪用されたりすることを想定。車両のコンピューターに残された痕跡から、関与した人物らを追跡する技術が確立できるかも調査している。

 捜査幹部は「今後、家電のIoT(モノのインターネット)や自動運転車の普及が進めば、今よりさらに解析が必要な分野が広がる」と話す。

<デジタル・フォレンジック(DF)> 警察庁は「犯罪立証のためのデジタルデータの解析技術およびその手続き」と定義。携帯電話やパソコンといった電子機器に保存されているデータを抽出して別の記憶媒体に複写した上で、文章や画像など人が認識できる形式に変換して捜査に活用する。

 情報を抽出した手法や得られた情報の信用性を担保するため、解析の経過も記録に残すほか、証拠物自体の状態を押収時のまま保つことが重要とされている。

 

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