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【社会】

佐川氏、真相語らぬまま 初会見 辞任の「おわび」

(右)国税庁長官を辞任し、取材に応じる佐川宣寿氏 (左)佐川長官の辞任を受け記者会見する麻生財務相=いずれも9日午後、東京・霞が関で

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 「本件は地検の捜査を受けている。私の方からはコメントを差し控える」。九日辞任した佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官は深々と頭を下げたものの、最後まで真相を語らなかった。就任から八カ月間、拒み続けてきた記者会見に初めて応じたのは辞任の日。納税者からは「真実を明らかにしてから辞めるべきだ」などと怒りの声が上がった。 

 長官就任後初の取材は夜九時ごろから。会見室ではなく、財務省のエレベーター前で立ったまま行われた。約百人の報道陣に囲まれる中、佐川氏が硬い表情で用意した文書を読み上げ、「混乱を招き申し訳なかった」と頭を下げると、一斉にフラッシュがたかれた。

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る交渉記録を「廃棄した」などとする国会答弁が強い批判を浴びた佐川氏。自らの答弁について「国会での私の答弁に関してずいぶんご議論いただいて時間も使った。文書管理についても国会で批判いただいたので、そういう意味では反省すべき点があったかなと思う」と淡々と述べた。

 近畿財務局職員の自殺には「今日のニュースで初めて知った。どなたが亡くなったかも承知していない」と述べるにとどめた。

 佐川氏の取材に先立ち、麻生太郎財務相が午後七時四十分から記者会見に臨んだ。「正直、(辞任は)残念だ。極めて有能だし、真面目だと思っている」「不適任だったという認識はない」「理財局長としてきちんと仕事をしたと思っている」。そう繰り返し、自身の任命責任は否定。一方で、佐川氏を減給処分にした理由を尋ねられると歯切れが悪くなり、しどろもどろになる場面もあった。

 記者の手が次々と挙がる中、表情はほとんど変わらないが、何度も手を挙げて質問を繰り返す記者に、いら立った様子を見せた。自らの進退については「特に考えていない」と辞任を否定。一時間を過ぎたところで会見が終わった。

 この日の夕方、国税庁に集まった報道陣を職員が遠巻きに見つめ、「何かあったのか」とささやき合った。幹部職員からは「寝耳に水」などと戸惑いの声ばかりが漏れた。ある中堅職員は「え? うそでしょ」と絶句。「確定申告が混乱しなければいいが」と心配していた。一方、都内の税務署のベテラン職員は「税務調査先から『書類は破棄したらダメなんですか』と嫌みを言われたことがある。現場を散々かき回しておいて、ねぎらいの言葉一つなく辞めるのか。あまりにも身勝手だ」と憤った。 (池田悌一、藤川大樹)

 

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