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【社会】

大崎事件 高裁も再審決定 宮崎支部 90歳原口さんと元夫

 鹿児島県大崎町で一九七九年、中村邦夫さん=当時(42)=の遺体が見つかった大崎事件の再審請求即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部(根本渉(わたる)裁判長)は十二日、「事故死の可能性」に言及し、殺人罪などで服役した義姉原口アヤ子さん(90)の再審開始を認める決定をした。昨年六月の鹿児島地裁決定を維持し、共犯とされた元夫(故人)についても認めた。

 検察側は期限の十九日までに最高裁への特別抗告を検討する。

 高裁は、弁護団が提出した法医学鑑定を新証拠と認め、死因は転落事故による出血死だった可能性があると指摘。元夫らの「首を絞めた」とする自白は「鑑定と整合せず、不自然で、核心部分に変遷がある」として信用性を否定した。中村さんは遺体で発見される前、酒に酔って側溝に落ちていた。

 高裁は、殺人事件とする前提は根拠を欠いたとし「確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じた」と結論付けた。

 原口さんは中村さんの首をタオルで絞めて殺害し、牛小屋に遺体を遺棄したとして元夫と親族二人とともに逮捕された。当初から全面否認したが、一審鹿児島地裁で懲役十年とされ、八一年に最高裁で確定した。

 確定判決は、知的能力に問題があった親族が「(原口さんから)犯行を持ち掛けられた」と自白し、この場面を目撃したとする義妹の証言から有罪と認定していた。

 昨年の地裁決定は、供述内容を分析した心理学者の鑑定書に基づき、自白の信用性を否定したが、高裁は「心理鑑定は手法も内容も不合理だ」として証拠価値を認めなかった。

 

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