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【社会】

生命の樹、躍動の再生 太陽の塔内部 19日から公開

太陽の塔=大阪府吹田市で

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 一九七〇年の日本万国博覧会(大阪万博)のシンボルで、芸術家の故岡本太郎さんが制作した「太陽の塔」(大阪府吹田市)。その内部の一般公開が十九日から約半世紀ぶりに始まるのを前に、見学できるようになる「生命の樹」が“再生”された。担当者は「外から見るだけでは分からない太郎の本当のメッセージを感じてほしい」と意気込んでいる。

 ▽進化の過程じっくり

 大阪万博閉幕後、内部はそのまま保存され原則非公開に。今回、再生の指揮を執った岡本太郎記念館館長で空間メディアプロデューサー平野暁臣(あきおみ)さん(59)らは、生命の樹をどう復活させるか協議。「みずみずしく躍動する生命のエネルギー」を表現するため、単なる形式的な再現で終わらず、“再生”させる工夫を凝らした。

 樹に連なる生物群のラインアップは当初通りだが、個々の生物模型はポーズを変えたり、目を光らせたりして躍動感を加えた。一方で、当時のまま残っていたゴリラの模型は頭部分が朽ちていたが、時間の重みを感じてもらおうと、そのまま残してある。

 四十八年ぶりとなる一般公開では、約三十分かけ階段で塔内部を上り、生命の樹の表現する生物の進化の過程を味わう。万博当時はエスカレーターだったが、階段になることでよりじっくり細部を見ることが可能になった。

 ▽岡本太郎のメッセージ

 平野さんは「太陽の塔はもともと生命の樹から着想された。生命の樹はいわば塔の血流、内臓のようなものであり、外見だけの太陽の塔はミイラのようなもの」と、内部公開の意義を強調する。

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 内部公開の入館は一日最大千百二十人までで、アクセスが集中した予約サイトは、一月十九日の受け付け開始直後にダウン。三、四月の予約枠はすべて埋まった。府の日本万国博覧会記念公園事務所が「注目は想定以上だった」と驚く人気だ。

 平野さんは「万博の時は高度経済成長期でみんなに勢いがあり、太郎が発した『生命の根源、われわれの足元を見直そう』というメッセージは新し過ぎた。四十八年たった今こそ、このメッセージが伝わるのではないか」と期待している。

<太陽の塔> 金色に輝き未来を象徴する「黄金の顔」、現在を象徴する前面の「太陽の顔」、過去を象徴する背面の「黒い太陽」という三つの顔を持ち、地下の展示スペースには「地底の太陽」が置かれた。高さ約70メートルで、内部の生命の樹は地下部分を合わせて約45メートルで、原生生物から哺乳類までの生物模型が取り付けられている。

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