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【社会】

強制不妊 聴覚障害者の被害調査 ろうあ連盟「より多い救済を」

 旧優生保護法(一九四八〜九六年)下で障害などを理由にした不妊手術が繰り返された問題で、「全日本ろうあ連盟」(東京)が月内に、強制などの被害実態を把握するため、聴覚障害がある人を対象とする初の全国調査に乗り出すことが十七日、分かった。旧法下で結婚した高齢の夫婦らに直接会う方式での実施を予定している。

 政府はこれまでの方針を転換し、都道府県の協力を得て実態調査を行う方針を決めたが、連盟は、より多くの救済につなげるために独自調査が必要だと判断した。「救済に向けた動きが出始める中、被害を訴えたい人が取り残されないようにしたい」としている。

 旧法は、知的障害や精神疾患のほか、聴覚障害者や視覚障害者への不妊手術を認めていた。連盟によると、親などに説得されたり、だまされたりして手術を受けさせられた人も多いという。

 全国調査は、都道府県の加盟団体を通じて行う。不妊手術や人工妊娠中絶の有無や手術に至る経緯などを聴き、六月までに結果をまとめる。家族の問題が絡むため言い出しにくいケースも考えられ、打ち明けやすいよう本人との個別の対面方式にする。

 全日本ろうあ連盟の会員数は二〇一七年三月末時点で約一万九千人。旧法下での不妊手術については既に静岡、愛媛、福岡など十数人の被害が確認されているという。久松三二(みつじ)事務局長は「社会に差別され、排除され、不妊手術を受けさせられた。これは国家の犯罪だ。国が謝罪することが大切で、そのためにもどのような被害があったか調べたい」と力を込めた。

 旧法を巡っては、今年一月、知的障害を理由に不妊手術を受けさせられたとして、宮城県の女性が仙台地裁に国家賠償請求訴訟を起こした。国会では、超党派の議員連盟が発足したほか、与党も議員立法による救済策を検討する合同ワーキングチーム(WT)の設置を決めるなどの動きが出ている。

 

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