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【社会】

昭恵氏「登場」 交渉進む 国有地取引 決裁文書で経緯削除

 学校法人「森友学園」との国有地取引を巡って十九日開かれた参院予算委員会の集中審議。安倍晋三首相は妻昭恵氏が「関与した事実はない」と改めて強調した。ただ改ざんされた決裁文書では、昭恵氏の記述五カ所がすべて削除され、削られた部分をたどると、昭恵氏の登場後、交渉は学園側有利に大きく前進していることが浮かび上がった。 (岡本太)

 「昭恵氏を現地に案内し、『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉を頂いた」

 学園理事長だった籠池泰典(かごいけやすのり)被告(詐欺罪などで起訴)は二〇一四年四月二十八日、近畿財務局との打ち合わせでこう述べ、昭恵氏と一緒に撮った写真を示した。学園は当時、新たな小学校用地として、大阪府豊中市の国有地取得を検討。資金の問題でまず土地を借り受け、約八年後をめどに購入したいと希望していた。

 ところが近畿財務局は、府の審議会で小学校設置の認可答申が出ないと契約できないと回答。一方の府は、用地確保を審査の必要条件としており、小学校新設計画は難航していた。

 「ニワトリと卵の話。何とかしてや」。当時、籠池被告が相談していた鴻池祥肇(こうのいけよしただ)参院議員事務所のメモにも籠池被告の言葉が残されている。近畿財務局は四月十五日、「認可答申前の契約はできない」と学園に伝えた。

 籠池氏が昭恵氏に言及してから三十五日後の六月二日。近畿財務局は学園側にこう回答した。「売り払いを前提とした貸し付けについて協力させていただく」。このころを境に、交渉は一気に進展していく。

 一五年一月、府の審議会は用地確保がされないまま、条件付きで認可を答申。府は近畿財務局から契約締結が確実との情報を得ており、これが答申につながったとされる。五月、学園と近畿財務局は貸し付け契約を結んだ。

 契約では「軟弱地盤」との学園の主張をもとに貸付料も減額された。決裁文書では「特別に軟弱とは思えない」という地質調査会社の意見が「新たな価格形成要因であり、賃料に影響する」との専門家の見解に書き換えられた。国有地はその後、ごみ撤去費として約八億円を値引きして学園に売却。籠池被告は一連の取引について「神風が吹いた」と表現した。

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