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【社会】

強制不妊 法務当局も容認 厚生省に「身体拘束、麻酔も」

 旧優生保護法下で障害者らへの不妊手術が繰り返された問題で、一九四九年に法務府(現法務省)が厚生省(当時)に対し、本人同意のない強制手術の手段として「真に必要やむを得ない限度で身体の拘束、麻酔、欺罔(ぎもう)の手段を用いることも許される」との見解を示していたことが十九日、愛知県が開示した資料で分かった。旧厚生省も四九年に同様の通知を都道府県に出していたことが京都府の開示資料から判明。政府として強制手段を容認する姿勢が改めて明らかになった。

 愛知県が開示したのは「強制優生手術実施の手段について」とのタイトルで、法務府が局長名で四九年に厚生省公衆衛生局長に宛てた資料。強制手術の手段について、厚生省が六二年に各都道府県知事に宛てた文書に、岐阜県の問い合わせに回答した際の文書が添付されていた。手書きで、公印は押されていない。

 手術を受ける者が拒否した場合、身体拘束や麻酔、だますなどの手段で拒否できなくすることが許されるかとの厚生省の質問に、「最小限度であるべきはいうまでもない。具体的な場合に応じ、真にやむを得ない限度において許される場合があるものと解すべき」と条件付きで容認した。

 この解釈について法務府は「基本的人権の制限を伴う」と認めながらも、旧法には「不良な子孫の出生を防止する」という公益上の目的があるとした上で「意思に反して実施することも、なんら憲法の保障を裏切るものということはできない」と結論付けた。

 東大大学院の市野川容孝(やすたか)教授(医療社会学)は「愛知県の開示資料が強制手術の手段を定めたオリジナルの可能性がある。法務当局がお墨付きを与えていた格好で、通知に向けて国が準備を進めていたことがうかがえる」と話した。

 

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