東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

年金データ 新たに33万人分ミス 機構、把握後も委託

 日本年金機構が受給者の個人データ入力を委託した東京都内の情報処理会社が、契約に反して中国の業者に業務を再委託していた問題で、政府は二十日、機構と自治体との間で今月から開始する予定だったマイナンバーによる情報共有システムの運用を延期することを決めた。加藤勝信厚生労働相は年金機構に対し再発防止を指示。機構は入力データの検証作業の在り方や、委託業者への監督体制を全面的に見直す。

 機構はこの会社が計画より大幅に少ない人員で業務に当たっていたことや新たに約三十三万五千人分の入力漏れやミスがあったことも明らかにした。

 情報共有システムを利用すれば、高齢者にとって年金に関する自治体への書類提出が不要になるなど、手続きの簡素化につながるはずだった。

 加藤氏は記者会見で「再委託した作業にマイナンバー関連情報は含まれていなかった」と説明。機構による全業務委託の内容を点検し、状況が確認できるまで延期する。

 問題の会社は「SAY企画」(東京都豊島区)。年金機構は昨年八月に同社と業務契約を締結した。提出された運用仕様書では八百人を雇用してデータ入力に当たるとしていたが、同十月に初めて打ち合わせをした際には、百数十人しか雇っていなかった。

 機構は是正を指示したが改善されず、昨年十一〜十二月の立ち入り検査では、毎回数件の入力ミスが見つかった。人が入力すべきところを機械で読み取っていたケースもあったという。さらに今年一月に監査で、約五百万人分のデータ入力を中国の業者に再委託していることも把握したが、二月まで業務委託を継続。機構の水島藤一郎理事長は「繁忙期で代わりの業者が見つからなかった」と釈明した。

 同社の入力作業に関係して二月支給の年金で所得税が正しく控除されず過少支給となったのが六万七千人いたことが既に分かっているが、新たな入力漏れ一万七千人が判明。機構は四月の年金支給で上乗せして支払う。一万七千人のほかにも約三十一万八千人分の情報入力ミスが見つかっており、機構は年金額に影響があった人数を調査し、二十六日に公表する予定。

 水島氏は二十日の記者会見で陳謝し「事業開始前に業者が十分な設備やシステムを保有しているか確認する必要がある。危機感を持って見直していかないといけない」と話した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報