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【社会】

玄海原発3号機再稼働 離島避難 不安拭えず

 九州電力玄海原発3号機(佐賀県)が、周辺四市の反対をよそに再稼働した。離島の住民は事故時の避難に不安を抱える。玄海原発は使用済み核燃料の保管場所に余裕がなく、根本的対策がないままの見切り稼働となった。 (宮尾幹成、内田淳二)

◇地元同意拡大を

 「住民の不安が拭えない」。三十キロ圏内の長崎県壱岐、平戸の両市議会は二十三日、再稼働反対の決議を全会一致で可決した。八日には圏内の同県松浦市も反対を決議し、佐賀県伊万里市も反対を訴える。

 三十キロ圏内の自治体は避難計画をつくる義務があり、佐賀、長崎、福岡の三県の八市町が対象。一方で、再稼働の前提となる地元同意の対象は、原発が立地する玄海町と佐賀県のみだ。

 東京電力福島第一原発の事故後、同意が必要な「地元」を広げるべきだという声は根強い。日本原子力発電の東海第二原発(茨城県東海村)では、「地元」が三十キロ圏内の水戸市など六市村に広がる動きがある。

◇孤立化の恐れも

 玄海原発の三十キロ圏内には約二十の離島があり、住民は約三万人。本土との橋がない十七島には約一万九千人が暮らす。重大事故の際は船やヘリコプターで避難するが、悪天候が重なれば孤立する恐れがある。

 壱岐市は市役所のある壱岐島南部が三十キロ圏。周辺の小島を含め約一万五千人が住む。計画では島南部の住民は島北部の一時避難施設に逃げる。しかし福島第一原発事故のように、風向きによっては三十キロを超えて放射能汚染が広がる。

 平戸市の平戸島は本土との間に橋があり、車やバスの避難も想定。ただ、市側は「島内の一本道では渋滞が予想される」と懸念する。船による避難も護岸の整備が間に合っていない。

◇4、5年で満杯

 玄海原発自体にも課題がある。使用済み核燃料を保管するプールの空きに余裕がない。3号機は運転を続けると四、五年で満杯になる見通し。五月に再稼働予定の4号機も同じだ。

 使用済み核燃料は本来、青森県六ケ所村の再処理工場に運ばれるが、工場はプールが満杯。再処理稼働の見通しもたっていない。

 九電は、プール内で核燃料の間隔を狭めて、保管量を倍近くに増やすほか、専用容器で空気冷却することを原子力規制委員会に申請する方針。ただ、プールに核燃料を詰め込めば、冷却性能が低下する恐れがある。専用容器に移すには、プールで十五〜二十年冷やさないといけない。

 また、3号機は使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料を使う。使い終わったMOX燃料は有害な放射性物質の量が格段に多く、処分の方法は何も決まっていない。

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