東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

LGBTの波 発信できた 渋谷の拠点、月末まで

3月末で閉じる「カラフルステーション」オーナーの杉山文野さん。LGBTに関する議論や交流の場になった=東京都渋谷区で(稲岡悟撮影)

写真

 LGBTなどの性的少数者や支援者らが集い、意見交換や情報発信の拠点となってきた東京・渋谷の施設が三月末、幕を閉じる。地元の渋谷区では二〇一五年、同性カップルを結婚相当の関係と認める「同性パートナーシップ条例」が成立。施設は条例化に向けた議論や交流の場になった。関係者は「ここから、LGBTのポジティブな波を発信できた」と評価する一方、「当事者らの集まる居場所は今後も社会に必要」と話す。 (奥野斐)

 同区神宮前二丁目の「カラフルステーション」。一階がタイ料理レストラン「irodori(イロドリ)」、二階はシェアオフィスやイベントスペースだ。オーナーの杉山文野(ふみの)さん(36)らが「欧米にある、交流や情報発信をするLGBTセンターを作りたい」と一四年五月に開設した。

 杉山さんは「元女子」のトランスジェンダー当事者。セクシュアリティー(性)に関係なく働ける場が少ないと感じてきた。一階を飲食店にしたのは、雇用の場も意識した。アルバイトを含めた従業員の八割は当事者という。

 開設後の四年間、社会の理解が進む出来事があった。渋谷区の同性パートナーシップ条例成立前に、検討委員や区職員らが訪れ、杉山さんらの話を聞いた。

写真

 企業の動きも加速。経団連と連合は昨年、LGBTが働きやすい職場づくりへの提言や指針を発表。人事担当者らが施設で食事しながら意見を交わしたり、当事者が同僚や家族にカミングアウトしたりする場になった。二階のシェアオフィスを使う、レズビアンでコンサルタントの増原裕子さん(40)は「互いを尊重し、人がつながる場所だった」。

 建物の所有者側の事情で施設は閉じることになったが、杉山さんは「LGBTも、そうでない人も、気軽に来られる場を社会にもっと広げたい」と見据える。

<LGBT> レズビアン(L・女性同性愛者)、ゲイ(G・男性同性愛者)、バイセクシュアル(B・両性愛者)、トランスジェンダー(T・身体や戸籍上の性別とは異なる性を生きる人)の英語の頭文字をとった総称。性的少数者には、自分の性が男女どちらか言い切れない人など、LGBTの枠でくくれない人もいる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報