東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

佐川氏追及 2つの疑問軸に 「何のため」「誰の指示」

写真

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、改ざんの動機となったとされる国会答弁をした佐川宣寿(のぶひさ)前理財局長の証人喚問が二十七日、衆参予算委員会で実施される。佐川氏は「刑事訴追の可能性がある」と証言を拒否することも想定されるが、「全ては拒否できないだろう。追及点は多い」と指摘する識者も。真相解明が進むことへの期待は高まっている。 (清水祐樹、望月衣塑子)

 公文書の改ざんは虚偽公文書作成罪にあたる可能性がある。証人喚問は虚偽の証言が刑罰対象となる一方、刑事訴追の恐れがある場合は証言を拒否できる。

 「改ざんは誰の指示か」「理由は何か」。今回の問題で主な疑問点はこの二つ。麻生太郎財務相は佐川氏を「最終責任者」と断じたが、佐川氏が自ら指示したのか、誰かの指示を受けたのかが焦点となる。元外交官で青山学院大法科大学院の小池政行客員教授は「回答を拒めば、違法な指示をした認識がある可能性が高まってくる」と指摘する。

◆昭恵氏の影響は

 改ざんの理由については「不要な部分を省いただけ」との答えも想定されるが、「なぜ省いたのか」という新たな疑問も生まれる。文書に記されていた安倍晋三首相の妻昭恵氏に関する複数の記述が全て削除されており、昭恵氏の影響があったかどうかも焦点だ。

 小池氏は「答弁に合わせるためだったとすれば、なぜ最初に虚偽答弁をしたのか。いくらでも追及できる点はある」と論理的な質問の進め方に期待する。

 また、証人喚問が刑事事件化の契機になるケースもあるとして「佐川氏の証言次第では、検察は動かざるを得ない」と話す。

 過去の証人喚問では、二〇〇一年にケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)事件を巡って村上正邦元労相が、贈収賄疑惑の核心部分について証言拒否を繰り返したが、後に東京地検に逮捕され、実刑判決。〇二年の北方四島支援事業の業者選定を巡っては鈴木宗男元衆院議員が、虚偽の証言をしたとして、受託収賄罪などと合わせて実刑判決を受けている。

◆ショーにするな

 一方、「佐川氏が一人でやったわけではないのだから責任追及という形ではなく、事実関係を明らかにするという姿勢で臨むべきだ」と語るのは、日本大の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)。

 佐川氏が答弁で「廃棄した」「価格提示していない」などと全否定したことについて「なぜあんなに強力に否定したのか。組織的にやったことなのか、外圧なのかをきちんと説明してほしい」と訴える。

 二十七日の証人喚問で質問に立つ立憲民主党の福山哲郎幹事長も「衆参で連携して、真相究明につながるように一つ一つ材料を出していきたい」と話した。

 証人喚問は憲法が定める国政調査権に基づく。岩井氏は、財務省が国会の要求に対し、改ざんした公文書を提出したことを問題視し「国会が愚弄(ぐろう)されたのだから、証人喚問を単なる政治ショーにせず、真相解明の第一歩として次のステップにつなげるべきだ」と話している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報