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【社会】

原子力規制委 もんじゅ廃炉計画認可 核燃料の搬出先明記せず

 原子力規制委員会は二十八日の定例会合で、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃止措置計画を認可した。計画には三十年で作業を完了する工程が盛り込まれ、認可により、世界でもあまり例がない高速炉の廃炉作業に着手できるようになった。政府は必要な費用を三千七百五十億円と試算。ただ、取り扱いが難しい冷却材ナトリウムの具体的な抜き出し方法や核燃料の搬出先は決まっていない。

 国費一兆円を投じながらトラブルが続いたもんじゅは、ほぼ運転実績がないまま廃炉が決まったため、機構が引き続き作業を担うことへの懸念も強い。

 計画では、廃炉作業は大きく分けて四工程。第一段階の二〇一八〜二二年度は、炉心などから使用済み燃料五百三十体を取り出す。四七年度までの第四段階で、原子炉建屋の解体を終える予定。

 ナトリウムは、空気や水に触れると激しく燃える性質で、放射性物質を含む「一次系」は約七百六十トンあるが、計画では詳細な抜き出し方法は示されていない。

 使用済み燃料は、茨城県東海村の再処理工場が廃止となり、もんじゅ敷地内に長期保管される可能性も浮上。海外を含め、再処理を引き受ける事業者を選定しなければならない。

 政府試算の三千七百五十億円のうち、機構が計画に盛り込んだ廃炉費用は約千五百億円。残りは施設の維持管理費など。

 使用済み燃料の再処理で得るプルトニウムを燃料に使うもんじゅは、政府の核燃料サイクル政策の中核として期待された。しかし大量の機器の点検漏れで、規制委は一三年五月、事実上の運転禁止命令を出した。その後もトラブルが続出し、規制委は一五年十一月、所管する文部科学相に、運営主体の変更などを勧告。政府は一六年十二月、廃炉を決めた。

 <高速増殖原型炉もんじゅ> プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使い、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す原子炉。出力28万キロワット。高速炉実用化までの4段階のうち2段階目に位置付けていた。1994年に初臨界したが、95年のナトリウム漏えい事故、2010年の炉内装置落下、12年の機器点検漏れ発覚などトラブルが続発。1兆円の国費が投じられたが運転は250日にとどまった。運転再開には少なくとも5400億円の費用が必要とされ、政府は16年12月に廃炉を決めた。

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