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【社会】

「障害への差別 過去の話じゃない」 旧優生保護法の影いまも「出生前診断勧められ…」

強制不妊手術の実態を語る被害者

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 「声を上げたくても、上げられない人がたくさんいる」。旧優生保護法による強制不妊手術の被害者らが二十九日、国会内の超党派会合で訴えた。「当時は適法だった」として、国は一九九六年の法改定後も二十二年間、実態調査も謝罪もせずに放置。旧法の傷痕に向き合ってこなかった姿勢に、「障害への偏見、差別は過去の話じゃない」との空気を感じ取っている。

 「周りに見て見ぬふりをされ、関わりたくないという蔑視の中で生きてきました」

 知的障害があり、十五歳の時に手術を強いられた六十代女性の苦しみを、会合に出席した義理の姉が代弁した。今年一月、旧法を巡って国に謝罪と補償を求める全国初の訴訟を仙台地裁に起こした。

 旧法による「不良な子孫の出生防止」を名目にした手術の痕は、今もおなかに残っている。「障害があっても、自分らしく生活できる社会であってほしい。なぜ手術が強制されたかを問うことは、障害者の将来、未来につながることだと思う」と語りかけた。

 こうした障害のある女性の生きにくさに関して、「DPI女性障害者ネットワーク」(千代田区)が二〇一一年に実施した調査は、今も残る旧法の「影」を浮き彫りにしている。

 「障害児を産むのではないか?という理由で、堕胎を勧められた」「障害児を産まないように出生前診断を勧められるのは、障害者である自分の存在も否定されたような気がする」

 調査メンバーの米津知子さん(69)も、この日の会合に参加。「障害のある人が子どもを産むのはあり得ないと考えている人が、まだたくさんいると思う。(旧法の)何が問題だったかを国が明らかにし、謝罪をして初めて、変わっていくのではないか」と指摘する。

 旧優生保護法弁護団長の新里(にいさと)宏二弁護士は「声を上げられず、手術の記録もない人は多い。今も孤立させられている被害だ」と強調。三十日には、旧法に関する被害相談を東京、神奈川、千葉など全国十七カ所で実施する。 (石川修巳)

 

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