東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

強制不妊、全国アンケート 25知事「国が補償を」実態調査の必要性指摘

写真

 旧優生保護法下での障害者らへの不妊手術問題に関する共同通信の全国知事アンケートで、半数超の二十五人が実態把握を踏まえて国が謝罪や補償を検討するよう求めていることが三十一日、分かった。沖縄と和歌山の二県は「直ちに謝罪・補償を行うべきだ」とし、二十三都府県は「調査をした上で必要性を検討すべきだ」とした。手術の適否を判断する優生保護審査会の運営を国に委任された都道府県の多くが、被害救済を国が主導するよう望んでいる状況が確認された。

 一九四八年から九六年まで存在した旧法を巡り、共同通信は三月、自治体の間で資料の現存調査や相談窓口開設などの動きが出ている状況を踏まえ、全知事を対象とした文書によるアンケートを実施。手術を施された当事者に対する謝罪や補償の考え方に関して五つの選択肢を設け、三十一日までに回答を得た。石川県だけは知事選の影響で「県としての回答」とした。

 沖縄と和歌山の知事は「国は直ちに謝罪と補償を行うべきだ」とした項目を選択。沖縄県の翁長(おなが)雄志知事は「当時の考え方はともかく、優生思想を理由に強制不妊手術を行うことは非人道的な政策」とし、和歌山県の仁坂吉伸知事は「直ちに謝罪すべきだ。対象者や金額などは別途検討の必要がある」と記している。

 また二十三都府県の知事は「実態調査をした上で謝罪や補償の必要性を検討すべきだ」を選択した。このうち佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は「法に基づく措置だったが、障害者らに差別的な取り扱いを行っていたもので国として何らかの対応を検討すべきだ」と指摘。徳島県の飯泉嘉門(かもん)知事は「適切に対応していくためにも、まずは国の責任の下、実態調査を行うことが先決」と記している。

 一方、「謝罪・補償は行うべきではない」と「謝罪は行わず、行政の責任論と切り離した『見舞金』などを交付すべきだ」を選んだ知事はゼロ。二十道県の知事が「いずれとも言えない」を選んだものの、多くは「優生保護政策は国策だった」(福井県の西川一誠(いっせい)知事)などとして国に対応を委ねる考えを示した。

 岡山県の伊原木(いばらぎ)隆太知事は「県は国から委任された事務を行っていたので、県としては回答しかねる」とした。旧法の問題では北海道や長野県が国に実態把握や対策を要請している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報