東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

神奈川県、受動喫煙の罰則適用ゼロ 条例施行から8年間

写真

 神奈川県が全国で初めて導入した受動喫煙防止条例の罰則を二〇一〇年度の施行から八年間で一度も適用せず、近年は違反件数も千件前後で横ばいとなっていることが、三月二十日時点のまとめで分かった。政府は二〇年東京五輪・パラリンピックを前に受動喫煙対策を強化する法改正案を国会に提出したが、先行事例である同条例の運用状況からは、実効的な規制への課題も浮かぶ。

 条例を巡っては、県が年間九百件以上の違反を確認しながら、一六年度までに一度も罰則適用や、その前段となる立ち入り調査をしていなかったことが昨年三月に判明。県によると、施設側の協力が得にくい事情もあり、一七年度もこれらの措置を取らない。担当者は「違反が大幅に減らないのは事実。しかし、条例を機械的に運用するのは避けたい」と話す。

 条例では学校や病院は禁煙、一定規模を超える飲食店や宿泊施設は禁煙か分煙を義務付けている。違反した施設管理者には五万円以下、喫煙者には二万円以下の過料を科すことができる。

 県によると、違反件数は一一年度の二千七百一件をピークに減少したが、一三年度以降は千件前後で推移し、受動喫煙被害に関する市民からの通報も絶えない。

 県が飲食店などに条例への理解や自発的な対策を求める中、黒岩祐治知事は一六年九月の県議会で「立ち入り調査や罰則の適用も視野に入れ、適切に対応する」として積極姿勢を打ち出した。しかし、店や施設に条例違反があった際、県が対応を求めても管理者が「会議を開いて前向きに検討する」などと回答したまま対策を先送りするケースがあり、面会にも応じない管理者も多いという。

 県担当者は「協力してもらうのはなかなか難しいが、施設側とよく話し合いたい」としている。

<受動喫煙防止対策> 神奈川県の条例は学校や病院を禁煙とし、一定規模を超える飲食店や宿泊施設は禁煙か分煙とするよう規定。調理場を除く床面積100平方メートル以下の飲食店、床面積700平方メートル以下の宿泊施設は規制対象外とした。政府が国会提出した健康増進法改正案でも学校や病院は屋内を完全禁煙。飲食店やホテルの屋内も原則禁煙だが、資本金5000万円以下で客席面積100平方メートル以下の既存飲食店は例外的に喫煙できる。違反した施設管理者には最大50万円の過料を科す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報