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【社会】

野球と福祉 二刀流に挑む33歳 茨城出身元中日・長峰昌司さん

障害者自立支援施設で、利用者を支援する長峰さん=水戸市で(茨城県社会福祉協議会提供)

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 米大リーグ大谷翔平選手の投打の活躍が話題だが、福祉と野球の「二刀流」に挑んでいる元中日ドラゴンズの左腕がいる。茨城県鉾田市出身の長峰昌司(しょうじ)さん(33)だ。勤務先が運営する障害者施設で働きながら、プロ野球独立リーグ「ルートインBCリーグ」に、来年の参加を目指し球団設立の準備を進めている。 (越田普之)

 長峰さんは二〇〇二年、県立水戸商業高校からドラフト五巡目でドラゴンズ入り。森繁和投手コーチ(現監督)に素質を見込まれたが、成績は伸び悩み、一一年に戦力外となった。移籍先のオリックスでは、けがが重なり一年で退団。一軍では通算五勝五敗、防御率5・66だった。

 オリックス退団後、合同トライアウトを受けた。抑えたものの、納得のいく球には遠く「投げることへの気持ちが切れてしまった」と社会人チームからの誘いを断り、現役から退くことを決めた。

 引退後も、東京の野球塾の茨城校で責任者を務めるなど、野球への情熱は消えることはなかった。そんな中、茨城県ひたちなか市で障害者支援などを手掛ける企業「アドバンフォース」社長の山根将大さん(30)と、共通の知人を介して出会った。大学まで野球に打ち込んだ山根さんから「茨城にBCリーグに参入できる県民球団をつくりたい」と協力を求められた。

 長峰さんは「茨城で野球を続けたい人たちのため、やってみたいという気持ちが強くなった」。一六年末で野球塾を辞め、球団設立を目指し活動を始めた。

現役時代の長峰昌司さん=ナゴヤドームで(榎戸直紀撮影)

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 一方、山根さんの会社が運営する障害者施設にも興味を持ち「働かせてほしい」と伝えた。母親が介護の仕事に就いていたこともあり、福祉が遠い世界とは思わなかったのだという。

 水戸市内の就労支援施設では、支援員として障害者が取り組む梱包(こんぽう)作業などを手伝った。仕事をする上で基本となるあいさつや言葉遣いの指導役も担った。

 「障害のある人たちが、思った以上に元気に作業していた。野球塾も、できないことをできるように指導する仕事。相手にあったやり方を探し、サポートしてあげるという点では、福祉も共通していた」と語る。

 仕事ぶりが評価され、県社会福祉協議会が業界のイメージアップなどを目的に任命する「ふくし“きらり人(びと)。”」に昨年十二月、選ばれた。

 球団設立準備も進み、球団名は「茨城アストロプラネッツ」と決定。長峰さんはユースチーム「水戸ボーイズ」の代表を務める。体が不自由な人を対象とした野球チーム構想もあり、ますます忙しくなりそう。BCリーグに参入できたら「福祉の仕事がゼロになってはいけないが、チームのためになるなら選手もやります」と二刀流を究めるつもりだ。

 

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