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【社会】

軍事研究指針 3割が整備 学術会議、全国大学の状況調査

 日本学術会議(会長・山極寿一京都大学長)は三日、防衛省が助成する軍事応用が可能な基礎研究の公募について、応募時の審査指針や手続きを整備しているのは全国の大学などの三割強にとどまるとのアンケート結果をまとめた。東京都内で開いた総会で公表した。

 約二割は指針などの整備に向けて検討中と回答。防衛省公募への対応を進めているのは合わせても半数程度で、様子見の大学が多い現状を浮き彫りにした。また内部からの応募を認めたことがある大学などは二割程度だった。

 アンケートは、防衛省の公募制度を「政府による介入が著しく、問題が多い」とした、昨年三月の学術会議声明を受けた実態を把握するのが狙い。声明は、助成を受けようとする研究の適切性を審査するよう大学などに求めている。

 三成美保副会長は「声明はインパクトを与えた」とした一方、指針策定に苦労する例が多いことが回答からうかがえると紹介。学術会議に対して指針案を示すよう求める大学側の声もあり検討する方向だ。

 過去の戦争協力への反省から学術会議は「軍事研究は行わない」という声明を掲げてきた。琉球大や、山極会長が学長を務める京都大が軍事研究をしない基本方針を公表。関西大や法政大も、防衛省公募に応募しない方針を示している。

 回答では、防衛省公募も含めた軍事と科学の在り方について、基本原則が「ある」としたのは約44%、「ない」は約38%だった。

 調査は今年二〜三月、全国の主な大学や研究機関を対象に実施。回答したのは約74%に当たる百三十五の国公立大、私立大、研究所など。個別の大学名などは明らかにしていない。今後、回答の自由記述も踏まえて分析し、九月のシンポジウムで公表する予定。

 

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