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【社会】

愛媛知事「文書、全面的に信頼」 加計問題会見 「職員の備忘録」

加計学園の獣医学部新設計画に関する文書を巡り、記者会見する愛媛県の中村時広知事=10日、愛媛県庁で

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 学校法人「加計(かけ)学園」が愛媛県今治市で今月開設した獣医学部を巡り、本紙などが報じた県職員と柳瀬唯夫・首相秘書官(当時)らとの面会記録について、中村時広知事は十日、県庁で記者会見を開き、「現時点で文書そのものは確認できないが、県職員が書いたメモだ」と内容の信ぴょう性を認めた。柳瀬氏は「首相案件」との発言を否定しているが、知事は「職員の書類は全面的に信頼している」と言い切り、発言があったとの認識を示した。獣医学部の新設計画が「加計学園ありき」で進められていた疑いは、より強まった。  (池田悌一)

 十日午後五時、知事会議室を埋めた約五十人の報道陣からフラッシュを浴びる中、紺色のスーツ姿の中村知事が厳しい表情で切り出した。

 「本日聞き取り調査をしたところ、この文書は職員が私への報告のために作った備忘録だと判明した。(東京での)会議に出席した職員が書いたものだと確認できたが、メモには保存義務がなく、現時点で文書そのものは確認できてない」

 愛媛県の地域政策課長らが今治市や加計学園の担当者と上京し、首相官邸で柳瀬氏と、内閣府で藤原豊・地方創生推進室次長(当時)と面会したのは、県と市が国家戦略特区を申請する前の二〇一五年四月二日だ。

 本紙が入手した文書では柳瀬氏は「本件は首相案件」と切り出し、「国家戦略特区の方が勢いがある」と活用を勧めていた。藤原氏も「要請の内容は総理官邸から聞いている」とした上で、「国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」と述べたと記されていた。

 中村知事は職員から当時、文書とともにどのような報告を受けたか「覚えてない」としたが、「内閣府から『国家戦略特区を活用したらどうか』と助言を受け、申請に至った。このときの報告を『可能性が見えた』と前向きにとらえた覚えがある」と振り返った。文書が流出した経緯については、「私や職員は当時、文部科学省や農林水産省、内閣府に説明にうかがっていた。その際、『四月の会議ではこのような状況だったので、ぜひよろしく』と、熱意を伝えるための資料として渡したと思う」と述べ、国側から流出した可能性を示唆した。

 知事は「職員が文書をいじる必要性はない」「職員はしっかり仕事をしているので書類は全面的に信頼している」と文書の信ぴょう性の高さを強調するが、柳瀬、藤原両氏は否定している。政府高官らも否定していることを問われると、険しい表情になり語気を強めた。

 「中身についてコメントすべきではないと思う。それぞれの機関の発言については、それぞれが正直にお話しすべきではないか」

◆知事会見 一問一答

 【冒頭発言】

 調査の結果、文書は、職員が会議に出席して口頭報告のために作ったメモと分かった。現時点では県庁内にはないが、当時の担当職員が備忘録として書いたものと判明した。

 【一問一答】

 −文書の内容は。

 「報道されている部分は担当職員が書いた」

 −担当職員は「首相案件」と記載したのか。

 「中身については情報公開条例もあり、内容へのコメントは差し控えるが出席したものを報告のために記述したことに間違いない」

 −職員からの当時の報告は。

 「三年前なので覚えていないが、国が積極的、前向きに動いている感触はあった」

 −「首相案件」という言葉はあったか。

 「気にもしていなかった。(加計学園の)獣医学部新設は、省庁をまたがった案件だから、思いを伝えるために僕も担当者もいろいろな機関に説明に行き、このメモを活用してきた可能性は否定できない」

 −改めて、文書に「首相案件」の記載は。

 「覚えていない。その言葉を目にしたかどうかは記憶にない」

 −安倍首相の関与については。

 「分からない。国の状況について、うかがい知ることはできない」

 −市民団体が、県から「文書は破棄した」と回答を受けたというが。

 「メモ関係は保存義務がない。不要と判断したものは廃棄する」

 −文書の渡り先は。

 「文部科学省、農林水産省、内閣府に行った記憶がある。そこは間違いない」

 −データが残されている可能性は。

 「(調査から)まだ一日しかたっていない。現時点で、ないだけ。引き続き調査し、何か出たらお知らせする」

 

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