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【社会】

豊洲開場へ半年 残る課題

ネット上での影響力が大きいブロガー(発信者)を集めたイベント。小池百合子知事も出席し、PRした=2月13日、東京都江東区の豊洲市場で

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 東京都江東区の豊洲市場は十一日、十月の開場まで半年に迫った。当初は二〇一六年十一月だったが、小池百合子知事の移転延期表明で約二年遅れた。延期によって市場建物の地下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題が判明した半面、風評への懸念をどう払拭(ふっしょく)するかなど、解決すべき課題が残る。 (川田篤志)

■PR本腰

 都が三月下旬、豊洲市場で開いた一般向けイベント。小型運搬車「ターレー」の体験乗車や施設内の見学などに、二日間で家族連れら約七千人が訪れた。二月には、豊洲の魅力を発信してもらうためインターネットのブロガー(発信者)を市場に招待。いずれの場にも小池知事が参加し、「豊洲市場を知ってもらう努力を重ねたい」と強調した。

 豊洲市場では、都が今月四日に公表した調査で、地下水から有害物質のベンゼンが環境基準の百倍超で検出された。現在、地下空間の床にコンクリートを敷くなど、追加の安全対策工事を実施中だ。都は建物内に有害物質が入ることはなく、地下水も中長期的に改善すると説明し、「安全、安心」のPRに力を入れる。

 だが、築地市場(中央区)の水産仲卸業者でつくる東京魚市場卸協同組合の早山(はやま)豊理事長は「(小売業者は)どこの市場から仕入れたかを気にする。豊洲が選ばれるよう、安全だと理解してもらわなければならない」と風評被害を心配。開場前に知事が安全宣言を出すべきだと訴える。

■施設計画

 地元江東区が都に求める観光拠点の千客万来施設は、整備のめどが立たない。

 市場に温泉や飲食・物販施設を設ける計画で、整備と運営は一六年、「万葉倶楽部(くらぶ)」(神奈川県小田原市)に決まった。ところが小池知事は翌年、築地跡地を再開発し、食のテーマパークとする構想を表明。同社は競合を懸念し、撤退の可能性を示唆している。

 同社幹部は取材に「食のテーマパークなら計画とバッティングする。都に早く方針を決めてほしい」と注文。都幹部は、区との約束もあり「競合施設を造らないよう調整し、一日でも早く決めたい」と漏らす。

 都の有識者会議は、築地跡地の青写真を五月にまとめる。別の幹部は「(撤退の)可能性もゼロではない。本当にどうなるか分からない」と焦りを隠さない。

■渋滞不安

 移転の遅れは、豊洲市場や二〇年東京五輪・パラリンピックの選手村と、都心などを結ぶ幹線道路「環状2号」の開通時期にも影響を与えている。築地の跡地を通るためだ。都は片側二車線の地下道路整備を東京大会後に延期。築地の建物を解体した後の十二月にまず、片側一車線の暫定道路を地上部に開通させる。

 これに対し、開場から二カ月間も環2が使えないと、周辺で渋滞が起きかねないとして、市場関係者は「開場と同時の開通」を要望している。だが、都によると、実現には築地の閉場前に工事を始める必要があり、一部業者の営業に支障が出る恐れもあるという。

 都の担当者は「暫定道路の工期を短縮させたい」としつつ、「(要望の)実現は簡単ではない」と話す。

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