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【社会】

国民審査求め提訴 在外邦人の投票不可「違憲」

在外日本人の国民審査権確認訴訟について話す原告で映画監督の想田和弘さん(左)ら=12日、東京都千代田区霞が関の司法記者クラブで

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 海外在住の日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは違憲だとして、米国在住の映画監督想田和弘さん(47)ら五人が十二日、次回の審査で投票できる地位にあることを確認することなどを国に求めて東京地裁に提訴した。

 五人は昨年十月に国民審査が行われた時、米国とブラジルに在住。訴状で「国は国外に暮らす日本人が最高裁裁判官の審査をすることを拒んできた。国民主権に基づき国民審査を保障する憲法に違反する」と主張している。

 在外邦人の選挙権を巡っては、最高裁が二〇〇五年、国政選挙で比例代表でしか投票を認めていないのは違憲と判断。法改正で衆院小選挙区と参院選挙区での投票が可能となった。

 一一年には今回と同種訴訟で、東京地裁が原告の請求を退けたが、「合憲性に重大な疑義がある」と指摘している。この訴訟で国側は在外邦人に国民審査を認めない理由について、各裁判官の氏名を投票用紙に印刷してから各在外公館へ送付し、回収するのに日数がかかり「開票に間に合わせることは不可能」としていた。

 国民審査は憲法七九条に基づき、任命後初の衆院選と同時に行われ、前回審査から十年経過後の衆院選ごとに再審査を受ける。外務省領事局によると、海外在留邦人は約百三十三万八千人(一六年十月現在)。総務省自治行政局選挙部管理課は「訴えが提起されたことも関知しておらず、コメントできない」としている。

◆原告ら「政治の怠慢 訴訟で不備ただす」

 原告らは提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、国民審査の在外投票を認めるよう訴えた。二〇一一年の東京地裁判決が、在外邦人に国民審査の投票を認めていないことに「重大な疑義がある」と指摘してから七年。想田和弘さんは「ただされないのは政治の怠慢。訴訟によって不備をただしていくのも一つの社会参画の仕方と信じている」と訴えた。

 原告の弁護士谷口太規さん(39)は「国民審査は司法が民主主義に立脚するのに不可欠な制度」と強調した。

 

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