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【社会】

交通死の26%、高齢歩行者 欧米の3〜9倍に

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 交通事故の死者のうち、歩行中に車にはねられて死亡した六十五歳以上の高齢者の割合が26・9%に上ることが、警察庁のまとめで分かった。米英仏独の各国と比べて約三〜九倍高く、同庁が対策に乗り出している。 (奥村圭吾)

 警察庁は発生から二十四時間以内の死者数を集計しているが、国際比較のため、死亡事故の期間を長くとらえる欧米で一般的な三十日以内の死者数も調べている。

 国内の昨年一年間の三十日以内死者数は四千四百三十一人(前年比5・7%減)で、統計のある一九九三年以降最少。内訳は六十五歳以上が二千五百六人(56・6%)を占め、その中でも歩行中の死亡事故は26・9%の千百九十二人に達する。一方、欧米各国は最新の一六年調査では一桁台で、日本が突出して高い。

 総人口に占める六十五歳以上の割合(高齢化率、一五年)は日本の26・6%に対し、米英仏独は14・9〜21・0%。自動車専用道路が多く整備されている欧米は、自動車と歩行者の分離が進んでいるなどの面もある。それでも、日本の高齢者の交通事故死者が目立っている。

 各都道府県警では、高齢歩行者の事故を減らそうと、右左折車が青信号の横断歩道に侵入しない「歩車分離式信号」や、青時間の残り時間を表示する歩行者用の信号、最高時速三十キロの区域規制を行う「ゾーン30」を導入するなどの対策を進めている。各署レベルでは、体験型交通安全教室の開催や、歩行者の横断を妨害する車の取り締まり、反射材の着用促進などを積極的に行う。

 公益財団法人「交通事故総合分析センター(ITARDA)」(東京)の佐藤弘道・業務部次長は「一九六〇年代以降の自動車化の流れで、歩行者しか想定していなかった狭い生活道路に車が入り込んだ。歩行者と車の空間が入り交じったことが、高齢歩行者の事故が増えた一因ではないか」と分析。「日本は海外に比べて歩行者優先の意識が乏しい」と指摘し、「高齢歩行者に道を譲ることができる運転手の教育と、衝突被害軽減ブレーキや自動運転車などの開発に取り組む自動車メーカーの技術革新が、対策の両輪」と話す。

◆高齢歩行者の事故防止策

★高齢者は…

▽薄暗い夕方や夜に出歩かない

▽車道を斜め横断せず、横断歩道を渡る

▽目立つ色の衣服や反射材を身につける

★行政は…

▽歩車分離式信号を危険箇所に設置

▽体験型交通安全教室の開催

★ドライバーは…

▽歩行者を早く見つけられるよう、夜間はライトのハイビームを活用

 

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