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【社会】

都民ファ都議、やらせ質問か 作成者名に小池知事側近

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 東京都の小池百合子知事が事実上率いる「都民ファーストの会」に所属する樋口高顕都議が昨年九月に都議会委員会で質問する際、都に事前に送った質問案の文書作成者名が、小池氏に近い都顧問(当時)の小島敏郎氏だったことが関係者への取材で分かった。小池氏は都議の質問を職員が作成するのを禁止すると表明しており、「知事与党」議員の質問に都側が関与していれば「言行不一致」と批判が起きそうだ。 (川田篤志、榊原智康)

 樋口氏は昨年九月一日の経済・港湾委員会で、豊洲市場(江東区)への移転や築地市場(中央区)の跡地再開発などを質問。豊洲市場内に観光拠点を設ける計画を巡り、事業者が都に損害賠償請求を検討しているとされた点に関し、「都が賠償責任を負う事由に該当しない」と述べ、知事の方針を擁護した。

 関係者によると、都に事前にメールで送られた質問案は文書作成ソフトで作成。ファイルの情報は文書作成者名が「小島敏郎」、最後のデータ保存者が樋口氏になっていたという。

 小島氏は当時、市場の移転問題にかかわっていた。この質問後の昨年九月十九日に顧問を辞任し、都民ファの政務調査会事務総長に就いた。

 今年三月の都議会定例会で、自民都議が「質問作成に小島氏が関わり、やらせ質問だった疑念がある」と指摘。樋口氏は三月二十九日、報道陣の取材に小島氏から助言を受けたことを認めたが、「自分で問題意識を持って一から質問を作った」と説明した。小池氏も翌日の会見で「小島氏の知見を生かし、議員がアドバイスを受けても問題とは考えない」と述べていた。

 小池氏は昨年二月の会見で、「議会での質問権は、議員が持つ最高の権能。行政の職員が関与するのはおかしい」「行政と議会の役割を分担する」とし、職員による質問作成をやめると述べていた。

 樋口氏は昨年七月の都議選で千代田区から出馬して初当選。十五日夜、本紙の電話取材に「築地の再開発の事実関係について小島氏からメールで送ってもらい、それに自分の質問の骨格部分を付け足した。質問を一から作ったことに間違いない」と答えた。小島氏にも同日夜に電話でコメントを求めたが、連絡は取れなかった。小池知事は都議選時、都民ファの代表を務め、今は特別顧問に就任している。

◆議会存在意義 失われる恐れ

<元三重県知事の北川正恭・早稲田大名誉教授の話> 地方自治は、知事など自治体の事務を執行する執行権者と、議会側の議決権者が独立機関として対等に競争するもので、それこそが二元代表制だ。都議の質問を執行部側である都の顧問が作成していた可能性があるとするならば、緊張感が欠けたなれ合いの関係性になっており、問題があると指摘せざるを得ない。議会の存在が意味のないものになる恐れもあり、都議らは疑念がある以上、説明責任を果たすべきだ。

 

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