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【社会】

「爆風で車両 キズ多し」「あ、着弾音! 身を隠す」 イラク日報 現地の緊張 生々しく

2004年3月、イラク南部サマワの仮宿営地に到着した陸上自衛隊の車列=共同

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 「戦闘が拡大」「攻撃件数七十一件」−。防衛省が十六日公表した陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報は、絶えず緊張の下で任務に当たった派遣部隊の様子が生々しくつづられている。一方で、現地の情勢が緊迫し始めた時期の日報は公表されず、活動の全貌は明らかにならなかった。(荘加卓嗣)

 先発隊がイラク入りして十七日後の二〇〇四年二月二十五日の日報には、「バグダッドの日本大使館に対する攻撃準備を完了」「実行される可能性大」とテロ情報が記載されていて、警戒の中で活動が始まったことがうかがえる。

 陸自の活動が本格化するのは本隊第一陣が到着した二月末から。ところが、この後の日報約一年分のうち、公表されたのは三日分だけ。〇四年は四、八、十月に陸自宿営地は何度も迫撃砲やロケット弾で攻撃されている。

 公表された三日分の日報だけでも、現地の緊迫した様子は伝わる。〇四年七月十四日の日報は前日のイラク全土での攻撃状況が「攻撃件数七十一件」「主権移譲後、最多」だったと記している。さらに「テロリストによる陸自宿営地へのロケット弾攻撃」「車両爆破攻撃」という情報があると記載されている。

 〇四年八月二十一〜二十四日に宿営地が連続して攻撃を受けた後の九月二十二日の日報には翌日の活動予定に「対弾性強化施設の構築」「居住用コンテナの強化」とあり、防御態勢の強化を示す記述があった。

 〇五年以降、現地情勢はやや落ち着くが、危険な状況は続く。同年六月二十三日、陸自車列が走行中、付近で爆発が発生。日報は車体がへこむなど被害を受けた車両の写真を添えて「爆風で飛ばされた石が当たってできたと思われるキズ多し」と報告。「予測していた範囲のものではあるとはいえ、深刻に考える必要がある」とのミーティングの内容を記載する。

 〇五年七月四日には宿営地にロケット弾五発が発射される。翌五日の日報は「各指揮官は隊員の精神的なケアーにも着意せよ」「必要があれば、まもなく来訪するメンタルヘルスの要員やカウンセラー等に申し出よ」と、緊張下に置かれた隊員の精神状態の把握を急ぐ部隊の確認事項も記す。

 「戦闘が拡大」の文字が記載されているのは〇六年一月二十二日の日報。「トラブルが継続した場合、事態が拡大する可能性は否定できない」としている。

 活動最終盤の〇六年七月には「『あ、着弾音!』と退避施設に身を隠す。まさに、こんな6カ月間だった」(十六日)との隊員の解放感も率直につづられていた。

 

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