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【社会】

豪雪下のコンビニ「セブンが営業強要」 福井のオーナー訴え

豪雪のさなかにも営業停止が認められなかったとオーナーが訴えたコンビニ=2月6日、福井県内で(コンビニ加盟店ユニオン提供)

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 福井県が豪雪に見舞われた2月、県内にあるコンビニ大手セブン−イレブン加盟店の50代男性オーナーが、複数回にわたって営業停止を申し入れたが本部側が認めず、3日間にわたる断続的な勤務のために約50時間、一睡もできなかったと訴えていることが分かった。店で働く40代妻が過労で救急搬送された後も、営業を強いられたという。オーナーらでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」が今月、中央労働委員会(東京)の審問で報告した。本部側は取材に「調査中」と話した。 (梶山佑)

 ユニオンによると、オーナーは六日午前三時半ごろ出勤。他の店員一人にレジを任せ、駐車場の除雪を始めた。同六時には妻も除雪に加わり、駐車場で動けなくなった客の車十五台以上の救助に追われた。

 オーナーは、客が通常の三分の一程度で、店員が疲労している上、店の屋根から雪が落ちて客にあたる危険もあるとして、同十時から電話やメールで一時閉店を本部に要請。本部側は同意せず、担当者は「けがをしても仕方ないから店を開けておくように」「けがしたら保険対応すれば良い」と答えたという。

 妻は同日深夜に体調不良を訴え、店の床に段ボールを敷いて横になったが、反応が鈍くなったためオーナーが一一九番。救急隊員に同行するよう求められたが、当時、店にはオーナーしかおらず断念した。オーナーは「勝手に閉店すれば契約解除される」と恐れたという。妻は点滴治療を受け、十日まで入院した。

 一一九番するとの連絡を受けた本部側の担当者一人が、搬送から三十分後に店に駆けつけ、オーナーは約二十一時間ぶりに勤務を中断。レジを三時間ほど任せた。その後は病院から戻ったオーナーが一人で勤務を再開した。七日午後四時ごろ、ユニオンの助言を受け「マスコミの取材要請がある」と本部に告げると、一時閉店の許可が出た。ただ、天候が回復したため営業を続けることにし、オーナーは八日朝まで勤務した。自宅に雪かきに戻った時間なども除き、勤務は計約四十一時間に上り、約五十時間も寝られなかった。

 本部のセブン−イレブン・ジャパン(東京)によると、加盟店との契約書は通常時を想定し「年中無休で、少なくとも午前七時から午後十一時まで営業する」と記載している。一方、各店舗に配布している災害対応マニュアルでは「営業継続の可否の判断は、人命安全を最優先にオーナーがする」と規定している。広報担当者は「ケース・バイ・ケースでオーナーに判断してもらっている」と話しつつ、今回の事案は「調査中」としている。

 ユニオン側は「災害対応マニュアルは実際には守られていない」と訴えている。

<福井豪雪> 2月上旬の記録的大雪。6日に福井県北部の国道8号で車約1500台が立ち往生し、福井県知事は陸上自衛隊に災害派遣を要請した。立ち往生の解消は9日未明になった。7日には福井市の積雪が147センチに達し、1980(昭和55)〜81(同56)年の「五六豪雪」以来初めて130センチを超えた。県によると、車中での一酸化炭素中毒などで12人が死亡。約1000棟のビニールハウスが倒壊した。

 

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