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【社会】

娘の絵に託す飲酒運転0 ひき逃げで犠牲 美大生の作ポスター化

事故で失った長女望さんの遺品を基に、飲酒運転撲滅を訴えるポスターを作った浜口雅子さん

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 「悲しい思いはもうしてほしくない。飲酒運転はゼロにできる」。神戸市中央区の浜口雅子さん(56)は3年前の夏、飲酒ひき逃げ事故で長女望さん=当時(23)=を突然失った。幼いころから絵を描くことが大好きで、美術大の学生だった望さん。雅子さんの手元に残されたのは無数の絵やイラスト。遺品を基に作成した啓発用のポスターに思いを込める。

 「ステキな飲み方してますか?」「STOP!飲酒運転!」。雅子さんが作ったポスターは三種類。望さんが叫んでいるような自分の表情をアップで描いた絵や、宇宙服のようなキャラクターがかわいらしい動きをするイラストを大きくあしらい、飲酒運転撲滅のメッセージを加えた。

 ひき逃げ事故は二〇一五年八月二十三日、神奈川県葉山町で発生。女子美術大二年だった望さんは海水浴に訪れ、制限速度を大幅に超えた車にはねられた。友人二人も重傷を負った。運転の男は酒を飲んでいた。

 刑事裁判の法廷では男からわずかに謝罪の言葉があったが、誠意は感じられなかった。「私たちは許さない」。この気持ちを伝えたい一心で仲間の手助けを受け、ポスター作りを始めた。

 「自分の絵でみんなを幸せにしたい」。日ごろからそう口にしていた望さん。発想がユニークで周囲を笑わせることも多かった。「あの子の絵で恨みを晴らしちゃいけない」。怒りが前面に出ていた試作品を練り直し、多くの人に見てもらえるようにと若者らしい絵柄に仕上げた。

 雅子さんは訴えを広げようと、ポスターの掲示場所を探している。問い合わせは公益社団法人ひょうご被害者支援センター=電078(362)7512=まで。全国に発送可能。

 

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