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【社会】

警備業90%超「人手不足」 警察庁調査 東京五輪に影響も

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 警察庁が民間の警備業者を対象とし、人員の確保について実態調査を行ったところ、工事現場における交通誘導やイベントでの雑踏警備などで、90%以上の業者が人手不足と感じていることが分かった。

 二〇一六年末時点の業者数は約九千四百、警備員は約五十四万人で、ここ数年は横ばいで推移。労働人口が減る中、二〇年東京五輪・パラリンピックでは警備員の大量需要も見込まれ、深刻な影響を与える懸念も出ている。

 こうした状況も踏まえた警察庁は、人員確保のため業者の負担軽減などを狙い、警備業法施行規則の改正を視野に対策を議論。警備員養成においてインターネットを利用する「eラーニング」の導入を認めるかどうか検討するとしている。

 調査は昨年九〜十一月に実施。警備業者四百八十五社から回答を得た。

 業務内容別では、工事現場などの交通誘導警備での人員について「大変不足」と「やや不足」の合計が96・5%に上った。イベント会場などの雑踏警備も計94・5%。他に、空港の手荷物検査など空港保安警備が計83・4%、ビルなどで警戒をする施設警備が計81・9%と、いずれも高水準となった。

 人員不足の要因で「大いに当てはまる」とした回答は、「賃金水準が低く確保が困難」で79・3%。「高齢化が進み、新規就労者も少ない」で78・6%だったほか、「需要増加で人手不足が進行」も57・1%と半数以上となった。

 対応策では、92・8%が「採用活動の強化」、77・6%が「賃上げなど処遇改善」とした一方、「情報通信技術(ICT)やロボットなど先進技術を導入して業務の高度化を図る」は3・3%にとどまった。

 既にICTなどを活用している警備業者は7・6%。具体的には、防犯カメラや生体認証技術による施設の監視、雑踏警備でのウエアラブルカメラの導入といったものだった。

 ICTの活用が広がっていない理由としては、新技術に対する認識不足や経費負担の増加が挙げられた。

 小此木八郎国家公安委員長は十九日の記者会見で「警備業が、安全で安心して暮らせる社会の実現にいっそう寄与するよう、業界団体ともしっかりと連携を図り、必要な取り組みを推進していくように警察を指導してまいりたい」と話した。

 

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