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【社会】

新宿の箱根 登りごろ 江戸の庭園 ツツジの山に再生

見ごろを迎えた戸山公園・箱根山のツツジ=東京都新宿区で

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 東京都心で最も高い山は、新宿区の都立戸山公園にある。標高44.6メートルの「箱根山」。近年荒れてしまったこともあったが、江戸時代に起源を持つ歴史にちなんで、公園の職員らが植えた花が立派に育った。22日、初めての「つつじまつり」を開き、知られざる都心最高峰の登山の楽しさをアピールする。 (増井のぞみ)

 高層住宅に囲まれた戸山公園の緑地を歩くと、こんもりとした丘が見える。都内では、多摩地区の雲取山(二、〇一七メートル、奥多摩町)や、外国人観光客でにぎわう高尾山(五九九メートル、八王子市)には及ばなくても、山手線の内側では最高峰。頂上へと続く階段沿いに色とりどりのツツジが咲き誇り、見ごろを迎えている。

 「江戸時代は将軍や大名、旗本が遊ぶテーマパークだったといえます」。公園を管理する戸山公園サービスセンターの吉田幸三さん(68)の説明だ。

 もとは尾張徳川家の下屋敷。庭園の池を造るために掘った土を盛り、山が築かれた。丸い玉を伏せたような形だったことから「玉円峰(ぎょくえんほう)」と呼ばれた。庭園には、東海道の小田原宿を模した町並みがあった。「外で買い物できない将軍や藩主を、商人にふんした家来がもてなしたこともあったようです」(吉田さん)。そんなエピソードから、後に「箱根山」の俗称が生まれた。

 明治時代、旧陸軍の用地になる。太平洋戦争後、軍事施設は廃止となり、一九五四(昭和二十九)年、陸軍戸山学校などが立っていた場所に戸山公園が整備された。

 箱根山は、江戸時代がしのべる唯一の遺構だが、しばらくはササが生い茂るままになっていた。

 同センターの職員の間で「再生」の機運が高まったのは十年ほど前。新宿の区花、ツツジで彩ろうとなった。ツツジは、江戸の有事に備えて射撃の腕を磨いていた新宿の「鉄砲組百人隊」が内職で栽培していた花だ。二〇一一年から植え始め、今はピンク色の「江戸花火」など十三種・六百株に増えた。

 花は五月中旬まで楽しめる。元都職員で戸山公園サービスセンター長の工藤修さん(62)は「緑や花が美しい姿を取り戻したいという職員たちの夢がかなった。由緒ある庭園だった歴史を感じてほしい」と話す。

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◆登頂証明書全員に あす初イベント

 「つつじまつり」は午前11時〜午後3時。山頂では「登頂証明書」と箱根山の由緒を説明するクリアファイルを、登山者全員に渡す。先着300人には花の種をプレゼント。山麓では、地元の学習院女子大の学生が先着150人に茶を点(た)てる。箱根山の焼き印入りのまんじゅう付きで一服100円。荒天時は29日に順延。問い合わせは戸山公園サービスセンター=電03(3200)1702=へ。

 

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