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【社会】

海賊版サイト接続遮断 「通信の秘密」に抵触懸念 法学者ら討論集会

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 政府が漫画の海賊版サイトへの接続を遮断するようインターネット接続事業者(プロバイダー)に自主規制を求めたことを受け、学識者らが二十二日、東京都内で討論集会を開いた。プロバイダーが接続を遮断するにはネット利用者の通信の監視が必要。集会ではこれが「通信の秘密」を定めた憲法に抵触する懸念があるなどの意見が出た。

 集会では法学者やプロバイダー団体の幹部ら十三人が登壇し発言。会場には弁護士や学識者ら三百人以上が集まった。

 慶応大の亀井源太郎教授(刑法)は「プロバイダーが自主規制で通信を遮断すると、利用者から訴訟を起こされる恐れがある」と指摘。「利用者が遮断から逃れるための抜け道はたくさんある」(ネット団体の石田慶樹氏)など、効果を疑問視する意見も出た。

 別の対策として海賊版サイトの資金源になっている広告の表示を止めるよう、広告代理店に働き掛けるといった案が上がった。登壇者の一人で京都大大学院の曽我部真裕教授(憲法)は本紙の取材に「接続の遮断には問題点が多く、他に対策が考えられるなら拙速に実施すべきではないだろう」と語った。

 海賊版サイトは漫画や雑誌のコピーを無料で公開。出版社の損失は数千億円とも推計される。政府は今月十三日に対策をまとめ「漫画村」など三つのサイトを指定し「プロバイダーの自主的な取り組みで遮断することが適当」としたが、学識者やネット関係者からは異論が出ている。 (吉田通夫)

 

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