東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

強制不妊 全市町村を調査 厚労省 対象広げ、資料保全へ

写真

 旧優生保護法(一九四八〜九六年)に基づき障害者らへの不妊手術が繰り返されていた問題で、厚生労働省は、手術の強制など被害実態を把握するための調査範囲を都道府県から全市町村に拡大し、医療機関や障害者施設も対象に含める方針を固めた。月内にも都道府県を通じて資料の保全を依頼し、全国市長会や日本医師会などの関係団体にも協力を求める。

 厚労省は三月、都道府県と保健所を設置している市、東京二十三区に対し、手術が行われた人の特定につながる可能性がある資料の保全を要請。住民により身近な市町村や、実際に手術を行っていた産婦人科・婦人科のある医療機関、障害者の入所施設などにも関連資料が残っている可能性があるため、対象を広げる必要があると判断した。

 自民、公明両党による救済策検討のための合同ワーキングチーム(WT)の求めに応じる形で、厚労省が調査拡大と資料保全を要請する。

 既に資料保全を依頼した都道府県などに対しては(1)優生手術の申請書(2)適否決定通知書(3)遺伝調査書−といった資料が、どれだけ残っているかを確認する。調査票を送付し、旧法が施行された四八年から年ごとの状況や、手術を受けた人の性別、当時の年齢なども記入してもらう。

 自公の合同WTは被害の実態把握を進めるとともに、救済に向けて超党派の議員連盟と連携し、早ければ来年の通常国会に議員立法での救済法案提出を目指している。

<旧優生保護法> 「不良な子孫の出生を防止する」と掲げ、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に本人同意がない場合でも「優生手術(不妊手術)」を認めた法律。1948年に議員立法で施行され、96年に優生手術などに関する規定が削除され母体保護法に改められた。厚生労働省によると、手術は約2万5000人に対して行われ、うち約1万6500人は本人同意のない強制だったとされる。厚労省は「当時は合法だった」との姿勢で、仙台地裁での国家賠償請求訴訟では原告女性の請求棄却を求めた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報