東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

セクハラ無くす契機に 本紙女性記者の経験は

写真

 財務次官のセクハラ疑惑はテレビ朝日だけの問題ではない、との思いから、本紙の女性記者が経験をもとに語り合った。それぞれが自分のこととして向き合い、社会を変える一歩を踏み出したいと願っている。

 −集まった経験事例=表=の感想は?

 A 自分の話や周りから聞いていた話以外にも「こんなに多く、ひどかったんだ」と驚いた。身近な同僚にも話せなかったんだと、あらためて感じました。

 B 犯罪ではないかというケースも。セクハラという言葉では軽いですよね。

 C 思い出そうとしただけで動悸(どうき)がしたという人、「話したくない。ごめんなさい」という人もいました…。

 −なぜ言えなかったの?

 D 貴重な取材相手だと思うと、機嫌を損ねたくない。こういう対応をされるのは、私が未熟なせいだと自分を責めていた。

 E 新聞社は男社会。「女は使えない」と思われたくなくて言えなかった。他の女性記者に迷惑をかけるわけにはいかないし。

 B 男性が多い職場で、女性の被害をちゃかす雰囲気もあって、言い出しにくい。相談したことでさらに傷つけられる二次被害も怖かった。

 −テレビ朝日の女性社員が、会話を録音し、そのデータを他社に渡したことに批判もあるけど。

 B 録音は身を守るため。セクハラは証明が難しい。録音しなければ「証拠がない」、録音すれば「ルール違反だ」。では、どうしろと?

 C 他社に渡す以外に手段がなかったのでは。自社で報道できなかったこと自体、問題の根深さを表していると思う。

 E そう、「会社に言っても仕方ない」と思わざるをえない状況がある。もし私が財務省で働いていてセクハラ被害に遭ったとしても、上司があの次官や官房長では泣き寝入りする。

 B 次官が「言葉遊び」と言ったように「今回は言葉だけじゃないか」と言う人もいる。でも、言葉は行動にエスカレートする。実際そういう現場も見たし。

 −そもそも女性社員が夜に次官に会っていたことを「ハニートラップ(色仕掛け)」と責める声も。

 B 重要な話は相手と一対一にならないと聞き出せないというのが取材の実態。呼び出されれば、夜でも朝でも駆け付けますよ。

 C 男性記者も同じように無理をしているし。

 D もちろん、不誠実な取材対応をする男性は一部ですが。

 C テレビ朝日の社員は、このままでは今後もセクハラ被害が黙認されると思って行動したという。私は彼女を一人にさせたくない。味方だと伝えたい。

 −これからどうしたら?

 A 次官の疑惑をきっかけにセクハラに関心が高まっている。私たちも今、変えなきゃとの思いから、実態を紙面で明らかにしようと考えた。

 C セクハラは受けた人の尊厳を傷つける。人権侵害なのだという認識をまず共有したい。

 D 「男性記者に代えればいい」と言う人もいるけれど、むしろ、あらゆる場面で女性を増やしたい。問題の背景には日本の男性中心の政治や社会がある。そこを変えないと。そうすれば皆が生きやすくなるはずだから。

 A 今回、「男性はこう思うんだ」と驚くことも多くて、男女の間で意識の差があることも実感した。男性を責めたいわけじゃない。一緒に考えてほしいんです。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報