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【社会】

都教委、性教育に枠 「保護者の了解得た生徒に個別指導」

 東京都足立区の中学校で行われた授業を都議が「不適切な性教育」と批判したことを巡り、都教育委員会は二十六日の定例会で、学習指導要領を超える内容を指導する際の留意点を区市町村教委や都立学校に周知するなどとした事務局の報告を了承した。「保護者の理解や了解を得た生徒への個別指導」を例に挙げるなど、授業に枠をはめる内容で、現場の萎縮が懸念される。 (清水祐樹)

 学習指導要領では受精・妊娠は取り扱うが、妊娠の経過は扱わないとされる。足立区の中学の授業では、避妊や人工妊娠中絶など、高校で指導する内容を取り上げたとして、都教委は三月の都議会で「課題があった」と答弁していた。

 この日の会合では、事務局が今後の対応を説明。中学校の性教育について「要領を超える内容を指導する場合は事前に学習指導案を保護者全員に説明し、保護者の理解や了解を得た生徒を対象に、個別指導を実施することも考えられる」とした。委員からは「各家庭の考えや子どもの発達段階は多様なので、保護者の意見を聞くことは必要」「学校現場は萎縮せずに積極的に性教育をやってほしい」「都教委としても性教育を考える契機になった」などの意見が出た。

 足立区の中学の授業は三月五日、三年の総合学習で行われた。「自らの性行動を考える」という人権教育の一環として、教育関係者や保護者にも公開した。若年層の望まない妊娠が貧困につながることや、高校一年の中絶件数は中学までの総数の三倍に上る実態を紹介。「産み育てられる状況になるまでは性交は避けるのがベスト」と強調し、避妊方法や中絶できる期間が法律で決まっていることなどを教えたという。

 自民の古賀俊昭都議は同十六日の都議会文教委員会で、校名や教員名を挙げ「不適切な性教育の指導が行われているのではないか」と問題視。性教育を実践する教職員や大学教授らでつくる「“人間と性”教育研究協議会」は「教育への不当介入で自由な教育実践を抑圧する」と批判し、都教委に区教委を指導しないよう申し入れている。

 

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