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【社会】

天皇陛下、退位まで1年 高輪で仮住まい 皇居・御所改修へ

退位後、陛下の仮の住まいとなる高輪皇族邸=東京都港区で、本社ヘリ「おおづる」から

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 二〇一九年四月三十日に天皇陛下が退位されるまで、三十日であと一年となった。皇太子さまが翌五月一日に百二十六代目の天皇に即位し、平成に代わる新たな元号が施行される。明治以降の近代皇室は終身在位を原則としており、天皇の退位は江戸時代の一八一七年に退位した光格天皇以来、約二百年ぶり。 

 一六年八月八日、当時八十二歳だった陛下はビデオメッセージで、自身の高齢化に触れ、象徴天皇の活動ができなくなるならば退位したいとの考えを強くにじませた。

 政府の有識者会議や国会での議論を経て、一七年六月に陛下一代限りの退位を認める「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立。同年十二月、同法の規定に従い退位日を決めるため、衆参両院議長や皇族の意見を聞く皇室会議が開かれた。

 退位後、陛下は「上皇」、皇后さまは「上皇后(じょうこうごう)」となり、補佐する宮内庁の組織の「上皇職」が新設される。皇位継承順位が第一位となる秋篠宮さまは「皇嗣(こうし)」という新たな称号が付き、皇太子に準じた待遇を受ける。

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◆上皇、私的活動に限定

 天皇陛下は来年四月三十日の退位後に上皇となった後、海外要人との会見や各種式典への出席、地方訪問といった象徴天皇として行ってきた公務は、新天皇となる皇太子さまへ譲られる。宮内庁によると、代替わり後に新天皇が主催する即位に関連した儀式にも出席しない。上皇后(じょうこうごう)となる皇后さまも同様となる。退位の制度を検討していたときから、天皇と上皇が併存することによる「二重権威」を懸念する声があり、活動は私的な分野に限定される見通しだ。

 宮内庁幹部は「具体的なご活動は、天皇、皇后両陛下のお気持ちを踏まえて決める」としており、芸術鑑賞や地方への私的な旅行、旧知の海外王族、友人との面会などが想定されている。幹部は「両陛下ともご自分たちが目立ってはいけないというお気持ちが強く、外へのお出ましは減るだろう」と話す。

 退位後の陛下は公務を行わないため、皇太子さまと秋篠宮さまで陛下から引き継いだ公務をどう分担するかも今後の課題となる。

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 代替わりに伴う住まいの準備は既に始まっている。宮内庁は退位後に天皇、皇后両陛下が、仮住まいの高輪皇族邸(東京都港区)へ引っ越した後、皇居・御所の改修を始める。新天皇となる皇太子さまは当面、現在の住まいの東宮御所(赤坂御用地)から皇居へ通って公務をする。

 宮内庁は両陛下の高輪皇族邸での仮住まい期間を、一年半以内と見込む。当初、邸内に健康維持に必要な運動ができる設備や、天皇陛下の魚類研究のための施設の設置も検討したが「仮住まいの費用はできるだけ抑えてほしい」という両陛下の意向を受け、見送った。これらは、皇居へ出向いて行うことになりそうだ。

 新天皇ご一家が御所に引っ越した後、両陛下がお住まいになる東宮御所の改修に着手。高齢での生活に備えたバリアフリー化などをし、入居後の名称は、近代以前の上皇の住まいの例にならい「仙洞(せんとう)御所」に変わる。秋篠宮ご一家は現在の宮邸に引き続き住み、活動拡大に備えて隣接の「赤坂東邸」を改修し、宮邸として利用する。 (小松田健一)

 

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