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【社会】

We love 湯 文京浴場組合、異色の誘客ポスター

浴場でギターをかき鳴らす男性

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 浴場でギターをかき鳴らすミュージシャン−。東京都文京区の浴場組合が作成した型破りなポスターが話題だ。モデルは地元ゆかりの人たち。区内の銭湯はピーク時の10分の1まで減少したが、地域密着で幸せを呼ぶ銭湯の姿をアピールしている。NO SENTO, NO LIFE? (中村真暁)

 ヒョウ柄のスカーフに黄色いシャツ、右手にはリンゴ、左手には黄色いオケ。とぼけ顔で左足をちょっと上げるのは、組合支部長の岡嶋登さん(60)=大黒湯取締役=だ。りんご湯をPRするポスター「アッポーセントー」で、ピコ太郎さんを思い出させる。

 「攻めまくってるぞ!」「思わずニヤリとしてしまいました」。会員制交流サイト(SNS)のツイッターでポスターを話題にした人の投稿は、三千以上のリツイートをされた。

モデルは組合支部長の岡嶋登さん

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 岡嶋さんが組合トップの支部長になったのは二〇一五年五月。以前から「銭湯へ行くきっかけをつくる面白いポスターを作りたい」と考えており、同じ大塚一・二丁目町会青年部の塩川浩司さん(55)がフリーのデザイナーと知ると、協力を依頼した。かつて風呂なしアパートの住人だった塩川さんは、「銭湯は人を幸せにする」と、組合のアートディレクターとなった。

 岡嶋さんがテーマや発想を伝え、塩川さんが構成などを提案する手法で、銭湯自体やイベントをPRする二十種類余りのポスターを制作した。

 撮影モデルは、家族や友人、地元の子どもたち。湯上がりにコーヒー牛乳を飲むのは区内の小学校のPTA会長で、子どもたちから「コーヒー牛乳のおじさん」と呼ばれるように。「銭湯の利用者は近所の人が多い。『この人知っている』となれば関心が高まる」(岡嶋さん)とその効果も意識するようになった。

文京浴場組合支部長の岡嶋登さん(左)とデザイナーの塩川浩司さん=文京区で(中村真暁撮影)

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 一九六〇年代後半に文京区内に六十軒以上あった銭湯は減少し、組合加盟は現在六軒。東京二十三区では、千代田、港両区の四軒に次いで少ない。岡嶋さんは力を込める。「今までと同じなら、素通りされてしまう。面白そうだと足を止めてもらわなくては」

<東京都内の銭湯> 東京都浴場組合によると、都内の銭湯は1968年の2687軒をピークに減少し続け、現在は約550軒。50年間で2000軒以上が姿を消した。風呂付きの住宅が一般的になり、老朽化や経営者の高齢化もあって廃業が相次いでいるという。都内の入浴料は大人(中学生以上)460円、小学生180円、未就学児80円。

 

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