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【社会】

柳瀬氏 何語る きょう参考人招致

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 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部開設を巡り、柳瀬唯夫元首相秘書官が10日、衆参両院の予算委員会に参考人招致される。秘書官時代の2015年4月、首相官邸で学園幹部や愛媛県と今治市の課長らと面会し、「本件は首相案件」と発言したと記した県作成の文書の内容を認めるか、そして発言の意味を説明するか注目される。安倍晋三首相と40年来の友人の加計孝太郎氏が理事長を務める学園を特別扱いする意図はなかったか。(池田悌一)

◆「首相案件」真意は

 県文書によれば、柳瀬氏は一五年四月二日に一行と面会した際、獣医学部の新設は首相案件とした上で「国家戦略特区の方が勢いがある」「自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい」と助言したとされる。

 県と市は〇七年以降、獣医学部の新設を構造改革特区で申請していたが、十五回連続で却下されていた。だが、面会を機に計画は一気に動きだす。かつて構造改革特区の申請を何度も却下された別の自治体関係者は「国から助言などなかった。ましてや官邸に呼ばれることもなかった」と口をそろえる。

 柳瀬氏は県文書の存在が発覚した四月十日、「記憶の限り、県や市の方とお会いしたことはない。首相案件といった具体的な話をすることはあり得ない」と否定した。しかし農林水産省や文部科学省でも類似する記録が見つかって以降は、「国会に呼ばれたら誠実にしっかりとお答えしたい」と話すように。学園側との面会は認める方向とみられるが、「首相案件」の意味も誠実に説明するだろうか。

◆首相答弁 疑義も

 また、文書には面会時に「先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村(博文)文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった」とも記されている。

 発言者は不明だが、記述の冒頭に「加計学園から」とあり、同席した学園幹部の発言とみられる。事実なら、発言を耳にした柳瀬氏はどう受け止めたのか。

 何より、安倍首相は学園の計画を知った時期を「(事業者に正式決定した)一七年一月二十日」と答弁しているが、この時点で獣医学部を話題にしていたとすれば答弁の信頼性に疑義が生じかねない。

◆面会設定 目的は

 そもそも県と市は当初、獣医学部の件で内閣府を訪れるために東京出張を組んでいたが、前日になって急きょ、官邸訪問の日程が加わった。複数の元官邸スタッフは「自治体の課長クラスが秘書官に面会に来ることは一般的にない」と証言する。それならば、誰が何の目的で面会をセットしたのか。面会相手の主体は学園側で、県や市は随行者との認識だったのか。柳瀬氏が「記憶」を思い出し、誠実に説明することが問われている。

 

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