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【社会】

元規制委員 内閣府から修正「圧力」 原発事故公判 津波地震 長期評価巡り

 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣三人の第十一回公判が九日、東京地裁であった。国が二〇〇二年に公表した地震の長期評価をまとめた元原子力規制委員長代理の島崎邦彦東京大名誉教授(地震学)が出廷し、内閣府が長期評価の修正を求めたことを「明らかに圧力だった」と証言した。

 島崎氏は、国の地震調査研究推進本部(地震本部)で地震調査委員会長期評価部会長を務めた。同本部は〇二年、三陸沖から房総沖で津波地震が起きる長期評価を公表。東電子会社は〇八年、これも基に福島原発周辺で最大一五・七メートルの津波が起きると試算した。

 八日の公判で当時の地震本部事務局職員は、長期評価の公表直前、防災対策を担当する内閣府から、根拠となるデータの信頼性から「公表すべきではない」と要請されたと証言。島崎氏は九日の公判で、同事務局から「数値には誤差を含んでおり、留意が必要」と文言を加える提案をされ、「文面を付けるくらいなら公表しない方がいい」と反対したと明かした。最終的に文言を加えて公表した。

 地震本部は翌年、各地の長期評価で発生確率などの信頼度をA〜Dに区分。三陸沖から房総沖は津波地震の規模がA、発生領域と確率はCとした。島崎氏は「内閣府の圧力に対する」ため客観的に判断しやすい信頼度を設定したと述べた。 (山田祐一郎)

 

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