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【社会】

公募前「2校難しい」 獣医学部新設

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 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部開設を巡り、山本幸三地方創生担当相(当時)が二〇一六年十月、国家戦略特区での学部新設を学園に加えて認めるよう求めてきた京都府側に、二校は「難しい」と伝えていたことが分かった。一校に限っての新設が公表されたのはこの二カ月以上後で、国が学園側の競合相手を早い段階で断念させようとしていた可能性が出てきた。(望月衣塑子、池田悌一)

 十四日の参院予算委員会で質問に立った田村智子氏(共産)が、陳情時に山本氏が「経過もあり、一校しか認められない。難しい状況なので、理解してほしい」と発言したと記した内閣府の文書を入手したとして、梶山弘志地方創生担当相に確認するよう要求。陳情に同席した西田昌司参院議員(自民、京都選挙区)は本紙に、「二校は難しい」という趣旨の発言があったことを明らかにした。

 愛媛県作成の文書によると、学園関係者は一五年四月二日、愛媛県や今治市の担当者と首相官邸を訪れ、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)から「本件は首相案件」として国家戦略特区の活用を勧められたとされる。県と市は二カ月後の同年六月、特区申請している。

 京都府と京都産業大が特区での獣医学部新設を申請したのは、翌一六年の三月。京都側は同年十月五日、内閣府に特区担当の藤原豊審議官(当時)を訪ね、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングに備えて相談。同十七日にはヒアリングを受け、学部の構想を説明した。

 西田氏によると、その一週間後の同二十四日、西田氏が京都府の山内修一副知事とともに山本氏を大臣室に訪ね、「京産大だけを認めてほしいとは言わないが、加計学園の定員数を減らすなどして二校認めてくれないか」と求めたところ、「難しい」と回答されたという。

 山本氏の事務所は本紙の取材に対し、「本人が戻らないので対応できない」と答えた。京都府は「副知事が山本氏に要望書を手渡しに行ったが、やりとりの記録がないので分からない」と説明。京産大も「一校しか認められないことは告示で初めて知った」としている。

 内閣府と文部科学省は一七年一月四日、「一校に限り」獣医学部新設を認めると告示。同日からの公募で唯一応募した加計学園が二十日、事業者に決まった。

 

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