東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

原電支援、許せない 東電へ抗議広がる 税金注入「福島のため」

写真

 茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働を後押しするため、筆頭株主の東京電力は、原電に資金支援する方針だ。東電は福島第一原発事故を起こし、廃炉や賠償のため、巨額の税金が注入されている。そんな東電が他社を支援することに、避難者らが批判の声を上げ、反対の意思を示す署名活動も始まり、抗議の輪が広がっている。 (越田普之)

 「福島への責任を果たすために存続が許された破綻企業の東電が、原電支援など許されない」

 福島事故の避難者らでつくる団体「福島原発三十キロ圏ひとの会」など十団体が四月、原電を支援しないよう東電にそう申し入れた。

 ひとの会の世話人を務め、自身も福島県大熊町から新潟県に避難している大賀あや子さん(45)は「再稼働すれば再び事故が起きるかもしれない。私たちのような被害者を二度と出してはならない」と訴える。

 原電は、東海第二の安全対策工事費として約千七百四十億円を投じ、二〇二一年三月以降の再稼働を目指す。全部を自己資金では賄えないため、送電先の東電と東北電力に支援を依頼。原電は四月五日、原子力規制委員会で、二社から債務保証や電力購入費の前払いなどの形で、支援を受けられることを説明した。

 だが、国が東電存続を許したのは、賠償と廃炉作業を進めるためという側面がある。東電は福島第一の廃炉作業に今後も多額の資金が必要な上、避難者への賠償も終わっていない。今後、さらなる税金投入も想定される。

 そんな状況で、東電が原電を支援することに、避難者以外にも抗議の声が広がる。国際環境NGO「FoE Japan」(東京都板橋区)は、支援反対の署名をネットなどで集めている。第一弾として二千七百七十四人分の署名を四月二十五日に東電と経済産業省、規制委へ提出。署名は六月末まで続けている。

 事務局長を務める満田夏花さんは「特に東電の電力を使っている首都圏の人たちにとって、人ごとではない。もっと多くの人の署名を集め、怒りを可視化したい」と話している。

写真

 東電広報担当者は「国民感情として他社を支援する立場でないことは承知している」と話す。一方で「どこで電気をつくって売るかという点で東海第二は選択肢の一つ。経済性などを総合的に勘案し、支援の方針を決めた」と説明した。

 原発問題に詳しい経済学者で金子勝・立教大大学院特任教授は「原発は、採算が取れなくなりつつある。東海第二を再稼働させても、費用を回収できるか分からない。支援を決めた東電の幹部は、背任に近い行為をしているのではないか」と指摘した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報