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【社会】

農政局職員、入札情報漏らす 談合疑惑 大震災復旧、OBに

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 東日本大震災後に国が進めている農地復旧事業で談合が行われた疑惑を巡り、発注者である農林水産省東北農政局(仙台市)の担当者がゼネコンに天下りしたOBの働きかけに応じ、入札関連情報を漏らすなど便宜を図っていたことが関係者への取材で十六日分かった。疑惑を調査している公正取引委員会も事実関係を把握しているもようだ。

 農政局は公取委が調査中であることを理由に「コメントは差し控える」としたが、斎藤健農相は十六日、「仮に報道されている内容が事実であれば極めて遺憾だ。厳正に対処する」と述べた。今後も調査に協力するという。

 関係者によると、漏えいした情報は、農政局が業者の技術力を評価する基準や、他社が過去に落札した際の技術力の評価が分かる資料。農政局発注の震災復興事業は、業者の入札価格のほか、工法などを総合的に評価する方式を採用しているため、業者が農政局の評価基準を把握しておけば他社より優位に立てる。

 ほかにも農政局担当者がゼネコン側が準備した提案書を提出に先立って目を通し、添削指導することもあったという。

 こうした便宜供与は複数の農政局現役職員とゼネコンに天下りしたOBの間で繰り返され、便宜供与を受けた業者が実際に落札したケースもあったという。業者やOBから現役職員への見返りなどは確認されていない。

 公取委は昨年四月、談合の疑いがあるとして三十社を超える大手・中堅ゼネコンに加え、農政局を立ち入り検査している。

 東北農政局によると、国の農地復旧工事は宮城、福島両県で実施され、がれき撤去や除塩、水路整備などが進められている。事業費は計約千六百五十億円が見込まれ、このうち千三百八十五億円が今年三月までに支出された。

 

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