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【社会】

テレ朝プロデューサー過労死 「管理監督者」残業規制の対象外

 テレビ朝日(東京都港区)でドラマを担当していたプロデューサーの五十代男性が、二〇一五年二月に心不全で死亡したのは長時間労働による過労死だったとして、三田労働基準監督署が同年に労災認定していたことが関係者への取材で分かった。

 三田労基署は、男性が労働時間の制限を受けない「管理監督者」に当たるとする一方、月に約百三十時間に及んだ時間外労働(残業)と死亡の因果関係を認めた。テレビ局職員の過労を巡っては、一三年にNHKの女性記者=当時(31)=が過労死したことが判明しており、メディア業界の過酷な労働環境が改めて浮き彫りとなった。

 テレビ朝日は「極めて重く受け止めております。社員の命と健康を守るための対策をより一層進めてまいります」とコメントした。

 関係者によると、男性は一三年七月、出張中にホテルで狭心症を発症。病院に搬送され一命は取り留めたが、低酸素状態による脳障害が残ると診断された。三田労基署は、狭心症発症前の三カ月の残業が約七十〜百三十時間に達し、過労死ラインとされる月八十時間を超えていたことを確認、一四年十月に労災と認めた。

 男性は療養を続けていたが、一五年二月に心不全で死亡。三田労基署は長時間労働との因果関係を認め過労死と認定した。

 テレビ朝日は裁量労働制を適用している制作部門で、残業が月に百六十時間を超える職員に対してのみ対策を行っていたが、三田労基署は基準を引き下げるように指導。管理職の推定労働時間も管理し、時間数に応じた対策を実施するよう求めた。

 男性は一九八〇年代に全国朝日放送(現テレビ朝日)に入社。時代劇や刑事ものの連続ドラマなどを手掛けた。

<管理監督者> 労働基準法は「監督もしくは管理の地位にある者」を労働時間規制の適用外とし、深夜に働く場合を除き、時間外労働や休日勤務では割増賃金の支払い義務がない。厚生労働省は「経営者と一体の立場」「労働時間の自由裁量」「給与や処遇の優遇措置」などの判断基準を示している。条件を満たさない従業員を管理職にして長時間働かせる例が相次ぎ、厚労省は2008年の通達で、部下の採用や解雇に関与できない場合や、賃金の時間単価がパート以下の場合は該当しないとの判断も示した。

 

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