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【社会】

駅のエスカレーター 視覚障害者対策進まず バリアフリー化国指針改定後も

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 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向け、視覚障害者が駅のエスカレーターを利用できる環境を整えるよう国がガイドラインを改定したが、鉄道事業者の対応が進んでいない実態が分かった。本紙が首都圏の十二の事業者に尋ねたところ、ホームや改札口からエスカレーターに誘導する点字ブロックを敷設している例はほぼなく、「対応を始める」と答えた事業者もなかった。 (皆川剛)

 公共交通機関のバリアフリー化を進める国土交通省がガイドラインを改定したのは今年三月。鉄道各社は現在、点字ブロックを階段とエレベーターにつながるように敷設しているが、エスカレーター利用は念頭にない。

 改定ガイドラインは「エスカレーター利用のニーズは高く、環境の整備が必要」と初めて明記した。具体的には、誘導ブロックをエスカレーターにつながるように敷設するのに加え、エスカレーターの位置や進行方向を音声などで知らせることを求めている。

 国交省の調査によると、多くの視覚障害者が誘導のない中で、エスカレーターを日常的に利用している。対向する人と衝突する恐れがないなどの利点があるためで、障害者団体も〇三年ごろから、国や事業者に対応を求めてきた。だが現在、首都圏では点字ブロックでエスカレーターへ誘導する駅は、筑波大付属視覚特別支援学校の生徒が多く利用するJR目白駅(豊島区)のみとみられる。

 本紙の取材に、新たに誘導ブロックの敷設などを検討すると答えたのはJR東日本、東急電鉄、京王電鉄の三社と東京都交通局。他の私鉄七社と横浜市交通局は、「混雑時の危険性に配慮する必要がある」(京急電鉄)など事故の懸念から、エレベーターや階段への誘導を続けると回答した。

 〇六年に義務化された音声案内設備についても、全てのエスカレーターに設置済みなのはJR東、京王、京急の三社のみだった。

 

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