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【社会】

9世紀 関東でM8地震 鎌倉、逗子に証拠の地層

 関東で約四百年おきに繰り返すとされるマグニチュード(M)8級の巨大地震「関東地震」が、平安時代の九世紀にも起きていた証拠となる地層を、神奈川県温泉地学研究所などのチームが二十日までに神奈川県内で確認した。

 関東大震災(一九二三年)などの関東地震は、太平洋−相模湾に延びるプレート境界「相模トラフ」沿いで起きるが、平安時代など古い時代の記録は少なく、実態はよく分かっていない。温地研の萬年一剛(まんねんかずたか)主任研究員は「証拠が乏しかった発生時期を、確実に絞り込めた」としている。チームは、かつて海沿いの干潟だった低地を掘って地層を調べた。神奈川県鎌倉市や逗子市で、干潟の痕跡を含む地層を十二カ所でみつけた。

 干潟は波で削られてなくなるため、通常は地層に痕跡が残りにくい。今回確認した干潟は、巨大地震で一帯の地盤が隆起したため波で削られなくなり、そのまま残ったとみられる。

 地層の年代測定で干潟は「十七世紀以降」「十三世紀」「八〜九世紀」の三種類と判明。九世紀の八七八(元慶二)年には、現在の神奈川県などで大地震があったとの文献記録があり、チームはこの元慶地震が関東地震だったとみている。

 政府の地震調査委員会は江戸時代の元禄地震(一七〇三年)、鎌倉時代の永仁地震(一二九三年)をM8級の関東地震としているが、それ以前の地震は明確に判断していない。

 <相模トラフ沿いの地震> 相模湾から房総半島の沖合へ延びる全長約300キロの相模トラフでは陸側のプレートの下に海のプレートが沈み込む境界で、周辺ではマグニチュード(M)8級の巨大地震が繰り返してきた。1923年の関東大震災(大正関東地震)が代表例。1703年の元禄関東地震では、大津波も発生して全体で1万人以上の死者が出たとされる。政府の地震調査委員会は、30年以内にM8級の地震が起こる確率を「ほぼ0〜5%」としている。

 

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