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【社会】

浅草 熱気巡る 三社祭宮出し

威勢のよい掛け声が響く中、宮出しされる神輿=20日、東京都台東区で

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 浅草神社(東京都台東区)の三社祭は最終日の二十日、三基の本社神輿(みこし)を境内から担ぎ出す「宮出し」があり、浅草の街を巡る本社神輿渡御で熱気は最高潮に達した。

 三基の神輿は午前五時五十分、一本締めの合図とともに氏子たちが担ぎ上げ、鳥居をくぐって外へ。隣の浅草寺境内では大勢の一般の担ぎ手が、われ先にと神輿に駆け寄り、勇ましい掛け声が響いた。その後は東、西、南の三方面に分かれ、氏子四十四町会を一日かけて順番に回り、夜に神社に戻る「宮入り」で幕を閉じた。

◆102歳「オイサ、オイサ」氏子の鈴木さん、2年ぶり

本社神輿を担ぐ102歳の鈴木秋雄さん=20日午後、東京都台東区で

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 三社祭を主催する氏子団体「浅草神社奉賛会」会長の鈴木秋雄さん=東京都台東区千束=は、百二歳の今年、二年ぶりに元気に由緒ある本社神輿(みこし)を担いだ。

 「オイサ、オイサ!」。午後六時前、千束二丁目西町会の面々が本社神輿の「二之宮」を担いで鈴木さん宅前に接近してきた。はちまきを巻き、いすから立って待ち構えた鈴木さんは、家族らに促され、数メートル歩いて担ぎ棒の先頭へ。棒を両手でしっかりとつかみ、上下に身体を揺らした。

 その間、三十秒ほど。神輿から離れると、町会の担ぎ手らは、拍手で長老に敬意を表した。「だいぶ足腰が弱ってきたが、また担ぐことができて、この上ない喜び」。紙コップの水を満足そうに高々と掲げた後で、鈴木さんは語った。

 一昨年、百歳で本社神輿を担いだ鈴木さんは、百一歳の昨年は家族の喪中で見守るだけだった。一月の浅草見番(台東区)でのイベントで孫の亜希子さん(35)と対談した際、今年の三社祭で担ぐか聞かれ、「もういいよ」と答えて周囲はヤキモキ。だが、「本番」に向けて足の屈伸運動を続けてきたといい、やる気に満ちていた。

 鈴木さんの担ぐ姿を見て、涙ぐむ近所の人も。「来年も担いで」と、何人もの人が声を掛けていた。(井上幸一、谷岡聖史)

 

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