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【社会】

LGBT、広がる居場所 中高生ら悩みを共有 池袋で交流会

LGBTの若者のため、交流会を開催している「にじーず」の遠藤まめた代表=東京・池袋で

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 性的少数者(LGBT)の若者のために居場所をつくる取り組みが各地に広がっている。性に違和感を持った子どもたちがつながり、家や学校では話せない悩みを打ち明け合う。専門家は、こうした同世代の交流が「自己肯定感につながっている」と評価する。

 「学校の友達と恋バナ(恋愛の話)になったらどうしてる?」「アニメのキャラクターを言って話題をそらす」。二〇一六年に発足した民間団体「にじーず」が月一回、東京・池袋で開く交流会では、集まった若者が経験を報告し合う。

 十〜二十代前半の当事者と「そうかもしれない」と感じている若者が対象。主にツイッターなどを通じて参加した中高生で、多くは家族にカミングアウトしていない。

 遠藤まめた代表(31)が交流会を始めた理由の一つは、以前関わった民間団体の一三年の調査結果だ。LGBTの回答者六百九人の約七割が、学校でいじめや暴力を経験。被害者のほぼ半数が誰にも相談できず、自殺を考えた人もいた。「性を模索している人が、ありのままの自分で安心して遊べる場所をつくりたかった」と話す。

 ある日の交流会後のアンケート結果から、多くが同世代の仲間に会えることが魅力だと感じていると分かった。「一人で悩まなくていいと分かり、自分の存在に少しだけ胸を張れるようになった」との声もあった。

 関西には、トランスジェンダー当事者の京都府立高教員土肥いつきさん(56)が〇六年に始めた生徒交流会がある。年五回、輪になって座った子どもたちが、希望する制服を着られないことや、トイレに関する悩みなど、心の内を吐き出す。

 参加者は幼稚園児から高校生までと幅広い。大学生や社会人もサポーターとして加わる。土肥さんは「大切なのは横と縦のつながり。生きにくさを感じている子が会でロールモデルと出会い、自分から前に進もうとする」と話す。

 こうした若者向け交流会は、福岡県など各地に広がりつつある。子どもの性別違和に詳しい岡山大の中塚幹也教授は、周囲に理解されず、死を考えるほど深く悩んでいた子が、交流会で悩みを分かち合うことで「自信がつき、自己肯定感を上げている」と意義を話す。

 医師や教員らの紹介で参加する子もいれば、交流会で情報を得て医療につながるケースもある。「交流会が子どもたちを社会や、医療へつなぐ役割を果たしている」としている。

 

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