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【社会】

首都圏鉄道も西暦化加速 外国人対応、コスト削減狙う

西暦表記に変わった(○の部分)JR東日本の切符

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 来年五月一日の改元に向け、改元日の一カ月前に公表されることになった新元号。首都圏の鉄道各社の間では、切符に印刷する発売日の記載を、元号から西暦に切り替える動きが加速している。外国人観光客に分かりやすくするだけでなく、システム改修などにかかる「改元コスト」を、この際なくしてしまおうという判断がある。

 JR東日本は昨年十二月から今年三月にかけ、切符の西暦表記への切り替え作業を完了した。切符の左隅に書いてある「30」の数字は「2018」に。これに伴い、国鉄時代から引き継いできた旅客営業規則の切符の表示例からも「平成」の部分を削除した。

 JR六社が共通発行している新幹線の切符も十月、西暦表記になる。JR東の深沢祐二社長は今月八日の定例記者会見で「(五輪開催にちなんだ)東京2020など、西暦を使うのが一般的」と話した。

 切り替えの理由は、それだけではない。昭和から平成に改元された一九八九年一月八日は、システム改修が間に合わず、駅員が切符に訂正のはんこを押して対応したという。「人手を使ってかなり大変だった」(深沢社長)。今回は昭和天皇崩御の翌日に改元された当時とは違って準備の時間はあるが、システム改修の負担が発生することは変わらない。改修費は各社とも明かしていないが、高額になる。西暦表記は、将来的な負担軽減にもつながる。

 首都圏では、すでに東京メトロ、東急電鉄、東武鉄道、西武鉄道、京急電鉄、小田急電鉄、相模鉄道の七社が西暦表記への切り替えを完了。東京都交通局、京王電鉄、京成電鉄も順次切り替えを進めており、改元時は、すべての大手鉄道の切符が西暦表記に統一されることになりそうだ。 (増井のぞみ)

◆記念切符・地方鉄道は「元号派」

 利便性やコスト削減のため西暦表記への切り替えが進む鉄道の切符だが、例外もある。鉄道ファンに向けた記念切符や、情緒を売り物にしたローカル鉄道の切符だ。

 東武鉄道の広報担当者は「(厚紙製の)硬券の記念切符は、昔ながらのデザインで人気がある。発売日の表記もデザインの一つ。元号が残る可能性はある」という。相模鉄道も「平成十二年十二月十二日の記念切符がよく売れた。ファンにとって『数字並び』は重要。記念切符の元号は廃止しない」と説明した。

 世界文化遺産の富岡製糸場にアクセスする群馬県の上信電鉄は、システムを改修して新元号を使うことにした。他社と乗り入れをしていないこともあり「独自の道を貫く」という。千葉県の銚子電鉄は、これまで駅員が改札口で切符に発売日のゴム印を押していた。「元号が変われば、ゴム印の数字をピンセットで変えればいい」と元号表記を続ける可能性が高いという。

 

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