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【社会】

日本橋上の首都高 神田橋−江戸橋JCT間地下化

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 国の重要文化財「日本橋」(東京都中央区)の上空を覆う首都高速道路の高架について、国土交通省と東京都、首都高の運営会社などは二十二日、地下化に向けた検討会を開き、神田橋ジャンクション(JCT)−江戸橋JCT間の約一・八キロを地下化するルート案を決めた。事業費や費用分担は、今夏にも開く次回会合で決めたいとしている。 (清水祐樹)

 この日、三者の幹部が国交省で会合を開いて決めた。国交省によると、地下化ルートの近辺は地下鉄などの構造物が多く、川も近いため、非常に難しい工事になるという。

 地下化は、老朽化による大規模な改修工事を続けている竹橋JCT−江戸橋JCT間の約二・九キロについて検討を続けてきた。再開発事業がおおむね完了した地域を除外し、既存のトンネルを活用することで、地下化区間の短縮やコスト縮減を図ることにした。

 日本橋を覆う首都高は、一九六三年に完成した。地下化は、二〇〇一年に扇千景国交相(当時)が「高架で覆われた日本橋の景観を一新する」と発言して浮上。小泉純一郎首相(同)も積極的な姿勢をみせたが、多額の工事費などがネックとなって進まなかった。

 その後、日本橋周辺の再開発計画が持ち上がったことなどを契機に国と都が議論を始めて昨年七月に地下化の方針を固め、同十一月に検討会の初会合を開いた。検討が順調に進んでも、着工は二〇年東京五輪・パラリンピック後という。

◆計画前進に歓迎の声 工事費懸念も

 「日本橋に青空を」と、首都高高架の撤去を求めていた地元関係者は、具体的な地下ルート案が決まったことについて「要望が前進した」と歓迎の声を上げた。商業関係者らでつくる「日本橋地域ルネッサンス百年計画委員会」の事務局担当者は「着実に計画を実行してもらいたい」。地元有志で組織する「名橋『日本橋』保存会」事務局の福島深雪さん(42)も「計画が前進して喜ばしい」と話した。

 ただ、工事には数千億円の費用が見込まれる。「必要な事業なのか」との疑問もくすぶっている。「首都高がある未来的な風景の方が魅力的」と主張する声もある。

 東洋大の根本祐二教授(公共政策)は「老朽化した首都高の改修にあわせて、というのなら、まずは首都高全体を更新するためにいくらかかり、税負担がいくらになるのかを示すべきだ。日本橋のために、首都高のほかの部分を改修する予算がなくなってしまうこともありうる」と指摘する。 (神野光伸)

 

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