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【社会】

加害者からの手紙途絶える 神戸連続殺傷21年 土師淳君の父が手記「事件と向き合い続けて」

 一九九七年の神戸市の連続児童殺傷事件で、小学六年の土師淳(はせじゅん)君=当時(11)=が殺害されてから二十四日で二十一年となるのに合わせて、淳君の父親守さん(62)が報道機関に手記を公表した。

 例年は命日前に届いていた加害男性(35)からの手紙が今年は届いていないことに触れ、「事件と向き合い続けてほしい」と心境をつづった。

 二〇〇四年から昨年まで届いていた手紙。一五年に加害男性が遺族に無断で手記「絶歌」を出版してから守さんは受け取りを拒んでいた。「受け取らないことと、加害男性が書かないことは別の問題」と指摘し、「子供がなぜ命を奪われなければいけなかったのかという問題の解答を求め続けてきた」として、加害の事実と向き合ってもらいたいと求めた。

 また、長年取り組んできた犯罪被害者支援について言及。犯罪被害者基本法の成立や、殺人事件の公訴時効が廃止されたことを評価した。

 ただ、守さんが副代表幹事を務めた全国犯罪被害者の会(あすの会)は今年六月に解散する。「次の被害者が自分たちと同じ思いをしないようにと頑張ってきたことは誇りに思う」と振り返った。

 今後の活動について、犯罪被害者を巡る課題は山積しているとして、「私ができる範囲で訴えていきたい」と誓った。

◆土師守さんの手記要旨

 私たちの子供の命が奪われた事件から21年が過ぎました。何年たとうと、亡くなった子供に対する想いは変わることはありません。

 加害男性からは命日前に手紙が届いていましたが、今年は代理人の下にも届いていないようです。3年前に加害男性が自分勝手な手記を出版した状況で、一昨年、昨年は受け取りを断っています。しかし、受け取らないことと、加害男性が書かないことは別の問題だと思っています。私たちの子供がなぜ命を奪われなければいけなかったのかという問題の解答を、ずっと求めてきましたが、そのためにも加害男性には事件と向き合い続けてほしいと思っています。

 今年6月をもって「あすの会」が解散することになりました。署名活動等の結果、犯罪被害者基本法が成立し、殺人事件の公訴時効が廃止されました。しかし、会のほとんどのメンバーは活動の成果の恩恵を受けていません。次の被害者が同じ思いをしないように頑張ってきたことは誇りに思います。犯罪被害者問題についてはまだまだ課題が残っており、今後も私ができる範囲で訴えていきたいと思っています。

 

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